スタジャンは、ストリートファッションにおいて長い歴史を持つアイテムであり、カジュアルからキレイめまで、さまざまなスタイルに取り入れることができる万能なジャケットです。
その独特のデザインと多様なコーディネートの可能性から、年齢やスタイルを問わず多くの人に愛されています。
しかし、スタジャンを上手に着こなすためには、カラーの選び方やインナーとの組み合わせ、シルエットのバランスなど、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
この記事では、スタジャンを使ったコーディネートのコツや、おすすめの組み合わせ例を詳しくご紹介します。
モノトーンのシンプルなスタイルからオールドスクールなストリートファッションまで、季節に応じたインナー選びや、スタジャンのカラー別コーディネートのポイントを解説し、スタジャンをよりスタイリッシュに着こなすためのアイデアをお届けします。
目次
スタジャンの魅力とストリートファッションにおける位置づけ
スタジャンの起源とその特徴
スタジャン(スタジアムジャンパー)は、アメリカで生まれたアイテムで、もともとは野球選手がベンチで待機する際の防寒着として使用されていたのが始まりです。
このため、スタジャンには耐久性と防寒性が求められており、素材の組み合わせも特徴的です。
通常、ボディ部分はウール、袖部分はレザーなど異なる素材で作られ、スナップボタンやリブ編みの襟と裾で仕上げられていることが多いです。
また、胸や背中にチームやブランドのロゴ、パッチが施されることで、デザインに個性が生まれます。
ストリートファッションにおけるスタジャンの位置づけ
スタジャンは、そのルーツからストリートファッションの定番アイテムへと進化を遂げました。
特に、90年代のストリートカルチャーやヒップホップシーンでの人気が高まり、現代のストリートファッションの象徴的なアイテムとして定着しています。
スタジャンの持つレトロなデザインと独特の存在感が、シンプルなコーディネートにもインパクトを与え、個性を引き立てるアイテムとして重宝されています。
トレンドとしてのスタジャン
近年では、90年代リバイバルの流行やY2Kスタイルの復活とともに、スタジャンの人気が再燃しています。
特に、オーバーサイズのスタジャンやレトロなデザインが再び注目を集めており、様々なストリートブランドから多様なデザインがリリースされています。
スタジャンは、カジュアルなコーディネートからスポーツミックスのファッションスタイルに至るまで、幅広いスタイルに対応可能なアイテムとして、今なおファッショニスタたちに愛されています。
このように、スタジャンはその歴史的背景と現代のトレンドを反映したアイテムであり、ストリートファッションにおいて欠かせない存在となっています。
これからのシーズンでも、個性を表現する重要なアイテムとして、多くのファッションブランドから新たなデザインがリリースされることが期待されています。
スタジャンの選び方のポイント
スタジャンは、素材、デザイン、サイズ感など多くの要素を考慮して選ぶことで、よりおしゃれで長く愛用できる一着を見つけることができます。
以下では、スタジャンを選ぶ際の具体的なポイントを解説します。
素材の選び方
スタジャンの素材選びは、デザインと機能性を大きく左右します。
一般的には、ボディ部分にはウールメルトンが使用され、保温性が高く、冬のアウターとして最適です。袖にはレザー(本革)を使用することが多く、これにより防風性と耐久性が高まります。
たとえば、「ホワイツビル」ブランドのスタジャンでは、30ozのウールメルトンを使用し、袖には米国産のステアハイド(硬質な牛革)を採用しているため、経年変化も楽しめる作りになっています。
また、異なる素材を使用することで異なる印象を与えることができます。
シンプルでクリーンな印象を与えるナイロンとコットンの組み合わせや、ヴィンテージ感を演出する厚手のウールやアンティークラムレザーなど、自分のスタイルに合った素材を選びましょう。
カラーとデザインの選び方
スタジャンのカラーとデザインは、コーディネートの幅を広げる重要な要素です。
大人っぽく落ち着いた印象を与えるには、ボディと袖がワントーンのものを選ぶのがポイントです。
逆に、カジュアルでポップなスタイルを楽しみたい場合は、バイカラーや派手な装飾が施されたデザインが適しています。
また、ブランドによっては、オールスターチームやアメリカンカレッジ風のエンブレムやワッペンを施したデザインが多く、これにより個性を引き立てることができます。
「アヴィレックス」や「ベンデイビス」などのブランドが提供するスタジャンは、このような派手なデザインを好む方におすすめです。
サイズの選び方
サイズ感はスタジャン選びで非常に重要なポイントです。
ジャストサイズのスタジャンは、体にフィットしてスマートな印象を与えますが、オーバーサイズを選ぶことでトレンド感を出すことも可能です。
サイズを選ぶ際には、スタジャンと体の間に握りこぶし1つ分の余裕があるかどうかを目安にします。
これにより、適度なゆとりを持った着心地を実現できます。
また、ボトムスとのバランスも考慮することが重要です。
例えば、大きめのジーンズやワイドパンツと合わせる場合は、スタジャンもややオーバーサイズを選ぶと全体のバランスが良くなります。
コーディネートのしやすさ
スタジャンは様々なコーディネートに取り入れることができる万能なアイテムです。
シンプルなデザインのものは、どんなスタイルにも合わせやすく、幅広いコーディネートが楽しめます。
逆に、派手な色やデザインのスタジャンは、シンプルなボトムスやインナーと合わせることで、スタジャン自体を主役にしたスタイリングが可能です。
着回し力を重視する場合は、ブラックやネイビーなどの定番色を選び、よりカジュアルで華やかなスタイルを楽しみたい場合は、ブルーやレッドなどの鮮やかなカラーを選ぶのがおすすめです。
これらのポイントを押さえることで、自分のスタイルや好みに合ったスタジャンを見つけることができ、ファッションの幅を広げることができます。
おすすめのメンズストリートブランドのスタジャン
メンズストリートファッションにおいて、スタジャンは定番アイテムとして人気があります。
特に以下のブランドは、デザイン性や独自のスタイルで注目されています。それぞれのブランドが提供するスタジャンの特徴や魅力を紹介します。
Supreme(シュプリーム)
シュプリームはニューヨーク発のストリートウェアブランドで、ストリートファッションを代表するブランドの一つです。
特に「ニューエラ メジャーリーグ バーシティ ジャケット」は、ニューエラとMLBとのトリプルコラボにより生まれたスタジャンで、MLB球団のワッペンが特徴的です。
ボディに貼られたワッペンやバックのシュプリームロゴがインパクトを与え、シンプルなコーディネートにも映えるアイテムとなっています。
A Bathing Ape(ア ベイシング エイプ)
A Bathing Apeは日本発のブランドで、オリジナリティあふれるデザインで人気です。
彼らの「バーシティ ジャケット」は、ブランドイニシャル「B」がフロントに大きくあしらわれ、レトロな魅力を持つ一着です。
重厚なレザースリーブと上質なメルトンボディの組み合わせが特徴で、スタイルにクラシックな雰囲気をもたらします。
Stussy(ステューシー)
ステューシーは、ストリートファッション界のパイオニア的存在として知られています。
「ステューシー × Denim Tears × Our Legacy」のトリプルコラボのスタジャンは、80年代のムードを感じさせるクラシックなデザインで、ブラックのボディとクリームレザーのスリーブの組み合わせがクールです。
個性的なパッチワークやロゴが随所に施されており、独自のスタイルを楽しむことができます。
Human Made(ヒューマンメイド)
日本のストリートブランド、ヒューマンメイドとアンダーカバーのコラボレーションによる「ラストオージー2 バーシティ ジャケット」は、90年代のアイテムを再構築したデザインが特徴です。
ホワイト×ブラックのシンプルなスタイルに、スリーブのスターモチーフがアクセントとなり、プレッピーな雰囲気を持つ一着となっています。
Neighborhood(ネイバーフッド)
東京・原宿発のストリートブランドであるネイバーフッドは、独特なデザインと高品質なアイテムで知られています。
「B.スタジアム / WCL-JKT」は、ブラックの生地にホワイトのスケルトンモチーフをあしらったスタジャンで、見る人に強烈なインパクトを与えます。個性的なデザインでありながら、フィット感や着心地も優れており、大人のスタイルに合わせやすいです。
Harsh and Cruel(ハーシュ アンド クルーエル)
Harsh and Cruelは、中国発のストリートウェアブランドで、ユニセックスで使えるアイテムが豊富に揃っています。
スタジャンには大胆なレタリングロゴやシンプルなカラーのデザインが特徴で、少し派手なデザインを楽しみたい方におすすめです。
特に2023年にはオーバーサイズやレトロなデザインがトレンドとなっており、トレンディなスタイルにぴったりです。
これらのブランドは、各々の特色を持ちながらも、ストリートファッションの中で独自の存在感を放っています。
スタジャンは、それぞれのブランドの歴史やデザイン哲学を反映したアイテムとして、ファッション愛好者にとって欠かせないアイテムです。
スタジャンのコーディネート例
スタジャンはカジュアルからキレイめまで、幅広いスタイルに対応できるアイテムです。
以下では、スタジャンを使ったメンズのコーディネート例を紹介し、それぞれのスタイルのポイントを詳しく解説します。
モノトーンコーディネート
モノトーンのスタジャンを使ったコーディネートは、シンプルでスタイリッシュな印象を与えます。
黒やグレー、白といったベーシックな色でまとめることで、落ち着いた大人のスタイルが完成します。
インナーやボトムスもモノトーンで統一することで、無駄のないクリーンなコーディネートが可能です。
例えば、ブラックスタジャンにブラックパンツを合わせ、インナーに白いシャツを着ると、洗練された雰囲気を演出できます。
オールドスクールスタイル
スタジャンを使ったオールドスクールスタイルは、ワイドレッグのボトムスを合わせるのがポイントです。
このスタイルでは、ゆったりとしたシルエットのパンツやバギージーンズを選ぶことで、ヒップホップやストリートのムードを強調します。
例えば、デニムジャケットやチノパンを合わせることで、90年代の雰囲気を醸し出し、レトロでありながら現代風のスタイルが楽しめます。
インナーとのレイヤリング
インナーを活かしたレイヤリングは、スタジャンコーディネートの幅を広げる鍵です。
秋や冬には、スタジャンの下にパーカーを重ねることで、カジュアルでリラックスしたスタイルを作ることができます。
フードが襟元から覗くことで、スタジャンのカジュアルさが際立ち、全体の雰囲気が統一されます。
また、シャツをインナーに使うと、カジュアルさを抑えつつ、キレイめなコーディネートに仕上げることができます。
チェックシャツや無地のシャツを選ぶことで、アメカジスタイルやビジネスカジュアルにも対応できます。
シーズンに応じたスタイリング
季節やシーンに応じてインナーを変えることで、同じスタジャンでも異なる印象を与えることができます。
例えば、春や秋にはシャツやカットソーを、冬にはニットやパーカーを合わせると良いでしょう。
また、インナーの色や柄を変えることで、コーディネート全体のバランスを調整し、季節感を演出できます。
ネイビーのスタジャンにホワイトのニットを合わせると、清潔感のある大人のスタイルに仕上がります。
カラー別コーディネート
スタジャンの色によってコーディネートの印象が大きく変わります。
例えば、黒のスタジャンはシンプルでシックな印象を与えやすく、デニムパンツやスリムパンツと合わせてミニマルなスタイルを作るのに適しています。
一方、赤や緑といったビビッドカラーのスタジャンは、カラーバランスを意識したコーディネートが求められます。
同系色のパンツや靴を合わせることで、全体のカラーバランスを整え、統一感のあるスタイリングが完成します。
まとめ:スポーツミックスの王道!ストリートブランドのスタジャン
スタジャンは、そのユニークなデザインと多様なコーディネートの可能性から、ストリートファッションの定番アイテムとして長年にわたり愛され続けています。
この記事では、スタジャンをよりスタイリッシュに着こなすためのコーディネート例や、季節やシーンに応じたインナーの選び方、カラー別のスタイリングのポイントなどをご紹介しました。
シンプルでモダンなモノトーンコーディネートから、オールドスクールなストリートスタイル、そして季節ごとのレイヤリングテクニックまで、スタジャンを活かしたさまざまな着こなしを提案しています。
スタジャンは、合わせるアイテムやスタイリング次第で、カジュアルからキレイめまで幅広いスタイルに変化します。
この記事で紹介したポイントを参考にして、自分らしいスタジャンコーデを楽しんでみてください。
新しいコーディネートの発見が、あなたのファッションスタイルをさらに充実させることでしょう。
PROFILE
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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