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ゴープコアとは?スタイルの特徴やブランドの選び方を解説

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ゴープコアとは?スタイルの特徴やブランドの選び方を解説

ゴープコアとは?スタイルの特徴やブランドの選び方を解説

アウトドアブランドのウェアを街着として取り入れる「ゴープコア」は、近年ファッションシーンで急速に注目を集めているスタイルです。

テック素材や防水ジャケットといった本格的なギアを、ストリートや都会的なシルエットと融合させることで、“実用性とデザイン性の両立”という新たな価値観を生み出しています。

さらに、サステナブル意識の高まりやスマートテキスタイルの進化といった時代背景も、このスタイルの広がりを後押ししています。

この記事では、そんなゴープコアの定義から誕生の背景、注目ブランドや着こなしのポイント、今後の可能性までを詳しくご紹介します。

 

目次

ゴープコアとは何か?

ゴープコアとは何か?

ゴープコアの定義:アウトドアギアを日常に取り入れたスタイル

ゴープコアとは、アウトドア用の機能的なウェアやギアを、タウンユースとして日常のファッションに取り入れるスタイルのことです

本格的な登山やキャンプで使用される防風・防水素材のジャケット、テックパンツ、トレイルシューズなどを、街中でおしゃれに着こなすのが特徴です。

単にアウトドアブランドのアイテムを着るだけでなく、「機能性をベースにしたファッションとして楽しむ」という価値観が根底にあります。

ファッションと実用性を両立するこのスタイルは、現代人のライフスタイルの変化とともに広がりを見せています。

 

語源:「Gorp(Good Ol' Raisins and Peanuts)」から生まれた言葉

ゴープコアという言葉の由来は、英語の「Gorp」にあります。

Gorpとは「Good Ol' Raisins and Peanuts(昔ながらのレーズンとピーナッツ)」の略で、ハイカーやアウトドア愛好家が行動食として持ち歩くミックスナッツのことを指します。

つまり、ゴープコアという言葉自体に「アウトドアの象徴」という意味が込められているのです。

このシンプルでナチュラルな言葉が、現代のファッション業界で「アウトドア由来のスタイル」を表すキーワードとして再定義され、自然と都会をつなぐ新しいファッションムーブメントへと進化しました。

 

「山登りスタイル=ダサい」からの価値観の逆転

かつてアウトドアウェアは、「実用的だけどファッション性が低い」というイメージを持たれていました。

しかし、素材技術の進化やデザインの洗練化によって、その認識は大きく変わりました。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)やPatagonia(パタゴニア)などのブランドがファッションブランドとコラボレーションを展開したことで、アウトドアウェアは“スタイリッシュな日常着”としての地位を確立しました。

さらに、都市生活においても「快適で機能的な服を着たい」という価値観が広まり、これまで“山スタイル”と呼ばれていたものが、今では“都会的な機能美スタイル”として評価されるようになっています。

ゴープコアは、こうした価値観の転換を象徴する現代的なスタイルと言えるでしょう。

 

ゴープコアが生まれた背景とトレンドの流れ

ゴープコアが生まれた背景とトレンドの流れ

2010年代後半からのアウトドアブーム

ゴープコアの台頭には、2010年代後半から続くアウトドアブームの存在が欠かせません

キャンプや登山、トレイルランニングといったアクティビティの人気が高まる中で、アウトドアブランドのウェアが注目を集め、街中でも着用される機会が増えていきました。

THE NORTH FACEやPatagonia、mont-bellなどが若年層の支持を得て、「アウトドア=おしゃれ」という価値観が広がったことが、ゴープコア誕生の土台となりました。

 

ノームコアやアスレジャーの流れを受けた派生トレンド

ゴープコアは、ノームコアやアスレジャーといったトレンドの流れを汲んだ発展形とも言えます。

ノームコアは「究極の普通」を追求するスタイルで、装飾を排したシンプルな服装が注目されました。

一方でアスレジャーは、スポーツウェアを街で着こなすことを前提としたスタイルです。

いずれも「機能性」と「快適さ」が重視されており、その価値観がアウトドアウェアにも波及し、よりテクニカルな要素を持つゴープコアへと進化したのです。

 

SNS・海外セレブの着用による拡散

ゴープコアがファッションとして一気に広まった要因の一つが、SNSと海外セレブの影響です。

アーティストのフランク・オーシャンや女優のシェイリーン・ウッドリー、エイサップ・ロッキーなどが、Arc'teryxやSalomon、THE NORTH FACEのアイテムを日常的に着用している姿がSNSに投稿され、多くのフォロワーにシェアされました。

これらの投稿はインスタグラムやPinterest、Redditなどを通じて急速に拡散し、ゴープコアがトレンドスタイルとして一般層にも認知されるきっかけとなりました。

 

コロナ禍以降の「機能性×ファッション」志向の高まり

新型コロナウイルスの影響によってライフスタイルが大きく変化したことも、ゴープコアの加速に繋がっています。

外出の機会が限定されたことで、人々は「必要最低限かつ快適な服」を求めるようになりました。

リモートワークや近所での散歩といった生活スタイルには、アウトドア由来の機能性を持つウェアが非常にマッチしていたのです。

加えて、天候に左右されず快適に過ごせるアイテムは実用性が高く、「おしゃれと実用を両立できるスタイル」として評価され、ゴープコアの人気が広がっていきました。

 

ゴープコアファッションの特徴

ゴープコアファッションの特徴

高機能素材・テック素材の多用

ゴープコアの最大の特徴は、高機能素材やテクニカルファブリックが積極的に用いられている点です

防水性・透湿性・軽量性に優れたGORE-TEX(ゴアテックス)や、耐久性とストレッチ性を兼ね備えたナイロン、ポリエステル素材が使われることが多く、アウトドアブランドが培ってきた機能美がそのままファッションに落とし込まれています。

こうしたテック素材は、街中でも快適に過ごせる上に、見た目にも近未来的な印象を与え、都市型ファッションとしての完成度を高めています。

 

多ポケット・ジップ・ナイロンなどの実用性重視

ゴープコアは見た目のスタイリッシュさだけでなく、実用性にも重きを置いているスタイルです。

多ポケットのベストやカーゴパンツ、コンバーチブルパンツ、止水ジップ付きのジャケットなど、元々登山やトレッキングを想定して作られたディテールがそのまま残されており、機能性の高さが魅力です。

スマホや鍵などの小物を収納できるポケットの多さや、雨風をしのぐためのフード・ジップなど、実用的なディテールが都市生活でも活躍します。

 

カラフルな配色 or アースカラーの両極的配色

ゴープコアの配色は、大きく分けて「ビビッド系」と「ナチュラル系」の2極に分かれています。

一つは、アウトドア由来のカラフルな配色。鮮やかなオレンジやパープル、ターコイズブルーなど、自然の中でも目立つ色使いが印象的です。

もう一つは、ブラウン、カーキ、ベージュ、オリーブなどのアースカラーで構成されたナチュラル志向のスタイルです。

どちらの配色も自然との親和性が高く、それぞれのスタイルで個性を表現できます。

 

ミックススタイル(ストリート×アウトドアのMIX)

ゴープコアは、単なるアウトドアウェアではなく、ストリートやスポーツの要素と融合した“ミックススタイル”としての側面も強く持っています。

Arc'teryxのテックジャケットにバギーパンツ、Salomonのスニーカーにキャップといったストリート感のあるアイテムを組み合わせることで、アウトドアウェアを都会的に着崩すスタイリングが特徴です。

ラグジュアリーストリートのトレンドとも相性が良く、Y2Kやテック系ファッションとのクロスオーバーも見られるなど、ジャンルを横断した自由な表現が可能です。

 

ゴープコアに影響を与えたブランド

ゴープコアに影響を与えたブランド

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)

ゴープコアを語るうえで欠かせない存在が、アウトドアブランドの代表格であるTHE NORTH FACEです

防水性や透湿性に優れたハイベント素材や、都市にも馴染む洗練されたデザインは、ストリートシーンでも高い人気を誇ります。

特に「マウンテンジャケット」や「ヌプシジャケット」などの定番アウターは、ファッションと機能性の両立を体現したアイテムとして、多くのスタイリングで採用されています。

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Patagonia(パタゴニア)

Patagoniaは、機能性とサステナビリティを両立させたブランドとして、ゴープコアの精神的な支柱のような存在です。

フリースやレトロXジャケットなどの名作アウターはもちろん、リサイクル素材やフェアトレード製品への取り組みも高く評価されており、「環境への配慮」という観点からも現代の価値観に合致しています。

アウトドアでの実用性を保ちつつ、日常着として違和感のないデザインも人気の理由です。

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Arc'teryx(アークテリクス)

Arc'teryxは、カナダ発のハイエンド・テックアウトドアブランドであり、ゴープコア人気の中核を担う存在です。

ミニマルなデザインに高機能素材を組み合わせたジャケットは、ストリートやモードファッションにも馴染みやすく、SNSや海外セレブの着用により一躍ファッションアイコンとしての地位を確立しました。

中でも「Beta AR Jacket」や「Atom LT」はゴープコアスタイルの定番アイテムとなっています。

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Salomon(サロモン)

Salomonは、フランス発のスポーツブランドで、特にトレイルランニングシューズがファッションシーンで急速に注目を集めています。

「XT-6」や「ACS PRO」などのモデルは、ハイスペックな機能性を備えつつも、デザイン性が高く、スニーカーフリークやストリートファッション層から支持を獲得。

実用性とスタイル性を兼ね備えたフットウェアは、ゴープコアコーデの足元を彩る定番です。

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and wanderは、東京発のアウトドアファッションブランドで、山でも街でも映えるスタイリッシュなデザインが特徴です。

テック素材を使用した軽量アウターや、シームレス縫製のアイテムなど、細部まで計算された機能美が魅力で、日本国内におけるゴープコアの盛り上がりに大きく貢献しています。

アーバンアウトドアの文脈において欠かせない存在です。

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ACRONYM(アクロニウム)

ドイツ・ベルリンを拠点とするACRONYMは、テックウェアの最高峰と称されるブランドです。

ミリタリーやサイバーカルチャーを背景に、複雑なカッティングと圧倒的な機能性を融合させたウェアは、ファッションとギアの境界を曖昧にする革新的な存在。

高価格帯ながらも熱狂的なファンが多く、ゴープコアを先鋭化させる存在としてコアな支持を集めています。

 

Goldwin(ゴールドウイン)

Goldwinは、日本のスポーツ・アウトドアメーカーで、近年ではライフスタイル提案型の洗練されたウェアで注目を集めています。

テック素材とシンプルなデザインが融合したコレクションは、アスレジャーやゴープコアのスタイリングにぴったりで、通勤からアウトドアまで対応できる汎用性の高さが魅力です。

国内外で評価が高まりつつあるブランドのひとつです。

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Oakley(オークリー)

Oakleyは、スポーツ用アイウェアで知られるアメリカのブランドですが、近年ではゴープコアスタイルにおける“ギア系アクセント”として再評価されています。

機能性サングラスやテック感のあるバッグ類、ハードなディテールのアパレルなど、未来的で無骨なプロダクトはコーディネートにインパクトを与えます。

ファッションとギアの中間にある存在として、ゴープコアの世界観を広げるブランドです。

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ゴープコアの着こなしで意識したいポイント

ゴープコアの着こなしで意識したいポイント

ストリートとのバランス(着崩しの工夫)

ゴープコアを都会的に着こなすには、ストリートファッションとのバランス感覚が重要です

アウトドアウェアをそのまま全身に取り入れると、どうしても“登山者風”になってしまいがちです。

そこで、あえてワイドパンツやグラフィックTシャツ、スニーカーといったストリート要素を組み合わせることで、程よく抜け感のある着こなしになります。

また、キャップやメッセンジャーバッグなどの小物でスタイルに“遊び”を加えることも、重たくなりがちなテックウェアを軽快に見せるコツです。

 

あえての“都会的シルエット”でアウトドア感を中和

ゴープコアの醍醐味である高機能素材やディテールを活かしつつ、シルエットはあえてタウンユースに寄せることで、野暮ったさを避けることができます。

たとえば、Arc'teryxのハードシェルジャケットを細身のスラックスで引き締めたり、and wanderのテックベストを無地のロンTやシャツと合わせることで、スタイルにメリハリが生まれます。

全身アウトドアブランドで固めるのではなく、ドレスライクなアイテムとミックスさせることで、ゴープコアを都会的に洗練させることが可能です。

 

天候やシーンに応じたレイヤリングと機能性重視の考え方

ゴープコアは見た目のトレンド性だけでなく、本来のアウトドアウェアが持つ「機能性」を活かした着こなしが真骨頂です。

防風・防水性、通気性、軽量性といった特性を活かして、気候や行動範囲に応じたレイヤリングを行うのが基本となります。

肌寒い日はインナーダウンやフリースを重ね、防水ジャケットで仕上げるといった具合に、“機能的に着る”ことがそのまま“かっこよさ”に繋がるのがゴープコアの面白さです。

コーディネートを考える際も、「どの天候でも快適に動けるか」を意識することで、スタイル全体に説得力が生まれます。

 

ゴープコアの今後の可能性と展望

ゴープコアの今後の可能性と展望

ファッションとテクノロジーの融合(スマートウェアなど)

ゴープコアの進化は、今後ますます「テクノロジーとの融合」によって加速していくと予想されます

すでに防水・透湿・耐久性などの機能は当たり前となりつつあり、そこにスマートテキスタイルや温度調節機能、センサー技術などが加わった“スマートウェア”の開発も進んでいます。

例えば、体温に応じて通気性を変化させる素材や、UVセンサーやGPSを内蔵したジャケットなどは、アウトドアシーンだけでなく都市生活にも新たな価値をもたらすでしょう。

こうした次世代型ウェアは、ゴープコアの世界観をより未来的で機能的なものへと拡張させていきます。

 

ファッション×サステナブル意識(環境配慮素材の活用)

ゴープコアは単なる“機能性重視のスタイル”ではなく、今後は「環境への配慮」という文脈でも注目されていくことが確実です。

Patagoniaをはじめとするブランドは早くからサステナブルな素材開発に取り組んでおり、リサイクルナイロンやオーガニックコットンの活用、フェアトレード縫製の導入など、持続可能なプロダクトがファッションの選択肢として浸透しています。

消費者のエシカル志向が強まる中で、「環境にも配慮した機能的なファッション」という立ち位置は、ゴープコアの新たな価値として確立されていくでしょう。

 

海外から日本国内への広がりと今後の定着

ゴープコアはもともと欧米のアウトドア文化を背景に誕生したスタイルですが、日本でも都市型アウトドア志向の高まりとともに、着実に広がりを見せています。

THE NORTH FACEやArc'teryxなどのアイテムはすでに国内でも人気を博しており、and wanderやGoldwinなどの国内ブランドも世界市場で評価されつつあります。

今後はさらに日本独自の気候やライフスタイルに適応した“ジャパン・ゴープコア”とも呼べるスタイルが確立される可能性があります。

四季のある日本において、機能性と着回し力を両立するゴープコアは、日常に根ざした新たな定番スタイルとして定着していくでしょう。

 

まとめ:機能性とファッションを融合させた“新・日常着”としてのゴープコア

まとめ:機能性とファッションを融合させた“新・日常着”としてのゴープコア

ゴープコアは、アウトドアウェアの持つ機能性と、現代的なファッション感覚を融合させた、新しい日常着のスタイルです。

従来の「おしゃれは我慢」という価値観から、「おしゃれ=機能性×快適性」へと時代は大きくシフトしています。

気候や環境への適応力を持ちながら、都会でも違和感なく着られるスマートさを兼ね備えたゴープコアは、まさに“実用的でかっこいい”という次世代のファッションを体現する存在です。

 

アウトドアブランドの進化や、サステナブルな意識の高まり、そしてテクノロジーの導入によって、ゴープコアは今後さらに多様な形で広がっていくでしょう。

トレンドとしてだけでなく、日々の服選びにおいても重要なキーワードとなるスタイルです。

「自分らしい機能美」をまといながら、これからのファッションの選択肢を広げてくれる。それがゴープコアという新たなスタンダードなのです。

PROFILE

IDEALVINCI
IDEALVINCIメンズファッション専門WEBライター
古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。

セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。

起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。

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