Buck Masonの歴史と特徴【ブランドリリース】

上質な素材と洗練されたフィット感、そして時代に左右されないシンプルなデザインで注目を集めるアメリカ発のブランド「Buck Mason（バックメイソン）」。

その製品は一見するとベーシックでありながら、細部にはこだわり抜かれたディテールと、ヴィンテージやワークウェアの美学が息づいています。

創業以来、クラシックを現代的に再構築するというスタンスを貫いてきた同ブランドは、まさに「長く着られる定番服」の体現者ともいえる存在です。

この記事では、そんなBuck Mason（バックメイソン）のブランドの起源や歴史、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。

1 Buck Mason（バックメイソン）の起源と歴史
2 Buck Mason（バックメイソン）の創業者について
3 デザインの特徴とスタイル
4 まとめ：Buck Mason（バックメイソン）ブランドリリース

Buck Mason（バックメイソン）の起源と歴史

Buck Mason（バックメイソン）は、2013年にアメリカ・カリフォルニア州ベニス（Venice, California）で、Sasha Koehn（サシャ・コーエン）氏と Erik Allen Ford（エリック・アレン・フォード）氏により設立されました。

二人は近隣の住人同士であり、ファッション業界で特別なバックグラウンドがあったわけではありませんが、「アメリカの定番スタイル（ジーンズ、Tシャツ、オックスフォードシャツなど）」を見直し、品質と耐久性を重視して再構築したいという思いからブランドをスタートしました。

創業当初は、ベニスの350平方フィート（約32.5㎡）のガレージから始まり、最初のデニムとTシャツをローカルで製造することから出発しました。

ブランドのビジョンとデザイン哲学

Buck Mason（バックメイソン）は、「現代のアメリカンクラシック（modern American classics）」をブランドミッションの中心に据えています。

時代に流されないデザイン、長く愛用できる耐久性、そして素材や製造の質へのこだわりが特徴です。

デザインにおいては、ヴィンテージの衣料品から学びを得ながら、それを現代の技術と視点で再構築するアプローチを取っています。

また、「着る人が自然体でいられること」「機能性と見た目のバランス」「過度な装飾を排したシンプルさ」といった要素も、ブランドが大切にしているポイントです。

成長と拡大の歩み

創業からしばらくはオンライン中心で販売を展開していましたが、2015年にはロサンゼルスのアボットキニー・ブールバードに初の実店舗をオープンしました。

その後、全米各地に実店舗を広げ、現在では30店舗以上を展開するまでに成長しています。

さらに、オンラインでの販売を軸としながらも、実店舗での顧客体験を重視し、接客や店内デザインにも力を入れています。

製造面でもアメリカ国内の拠点を強化しており、ペンシルバニア州モントンにある老舗の編み物工場を取得し、Tシャツやニット製品の国内生産を推進しています。

持続可能性・ブランドの特徴的な要素

Buck Mason（バックメイソン）は、長く使える服を作るという理念があり、流行に左右されない普遍的なデザインと丈夫な素材を組み合わせることで、愛用し続けられる製品を提供しています。

縫製やカッティングといったディテールへのこだわりも強く、見た目だけでなく着心地や動きやすさにも配慮されています。

また、製造の透明性と品質管理にも注力しており、昔ながらの製法と最新の技術を融合させた「ハイブリッド型のものづくり」が評価されています。

デザイン面では、アメリカのヴィンテージワークウェアや、20世紀中頃の映画俳優たちの着こなしに着想を得ており、Steve McQueenや Paul Newmanなどのスタイルに通じる、実用的で飾り気のないファッションを現代的に再解釈しています。

Buck Mason（バックメイソン）の創業者について

Buck Mason（バックメイソン）の創業者はSasha Koehn（サシャ・コーエン）氏と Erik Allen Ford（エリック・アレン・フォード）氏の二人です。

彼らは2013年、アメリカ・カリフォルニア州のベニスでBuck Mason（バックメイソン）を立ち上げました。

ブランドの起点は、「時代に左右されない定番の服を、上質な素材と設計で作り直す」というアイデアにあります。

Sasha Koehn氏はオハイオ州出身、Erik Allen Ford 氏はミズーリ州の田舎町出身とされ、いずれも都会的なファッションシーンではなく、素朴で実用性を重視する土地で育ちました。

このような背景から、実用性や耐久性に優れた「クラシック・アメリカン・スタイル」に対するリスペクトを持っており、それがBuck Mason（バックメイソン）の基盤となっています。

創業のきっかけとブランド創立のプロセス

Sasha Koehn氏と Erik Allen Ford氏は、自分たちの日常着として使っていたTシャツやジーンズに対して、「もっと上質で永く着られるものがあってもいいのではないか」という問題意識を持ったことから、ブランド創業を決意しました。

特にTシャツに関しては、50以上のサンプルを試作し、理想的なフィット感と素材を追求したと言われています。

実際の創業は、ロサンゼルス・ベニスのガレージスペースからスタートしました。

たった350平方フィートの作業スペースで、ローカル生産のデニムとTシャツを作ることから始まり、徐々に注目を集めていきました。

当初から大量生産やトレンド追随には関心がなく、「品質のある定番を作る」という姿勢に徹していました。

創業者の価値観とブランド運営の哲学

創業者の二人は、デザインにおいて「シンプルさ」と「時代に左右されない普遍性」を最も重要視しています。

彼らは、ファッション業界の常識にとらわれることなく、どこか懐かしく、しかし現代的にも映えるアイテムを生み出すことに注力しています。

その根底には、幼少期の体験や中西部文化の影響が色濃く残っており、「誰にでも似合う」「永く着られる」ことを第一に考えています。

また製造面でも、古き良きアメリカの製造技術を尊重しながら、現代の生産効率や品質管理を融合することで、コストと品質の両立を図っています。

創業初期の困難も多かったものの、限られた資金と人材の中で、何度も試作と失敗を重ねながら信頼される製品作りに徹してきました。

現在の創業者の立場と展開

現在もSasha Koehn氏と Erik Allen Ford氏はBuck Mason（バックメイソン）の経営陣としてブランドの方向性を主導しています。

ウィメンズラインへの拡張や、全米への店舗展開、自社工場の運営など、ブランドは着実に成長を続けています。

また、年間売上高が1億ドルを超える規模へと成長しているとも報じられています。

しかし、そうした規模拡大の中においても、創業時からの理念である「高品質な定番を、手頃な価格で提供する」というビジョンは揺らいでおらず、現在も製品開発や顧客体験に強いこだわりを持って事業を展開しています。

デザインの特徴とスタイル

Buck Mason（バックメイソン）のデザインは、装飾を極力抑えたシンプルな美学を貫いています。

主張の強いロゴや派手なプリントは排除され、素材そのものの質感や縫製の丁寧さが際立つように設計されています。

日本のセレクトショップなどでも取り扱われる中で、スタイリングにおいても「何にでも合わせやすい」「気取らず着られる」といった実用的な評価を得ており、特にベーシックカラー中心のカラーパレットが好評です。

ベージュ、ネイビー、チャコールなどニュートラルな色味が多く、着回しのしやすさも魅力の一つです。

素材と製造のこだわり

Buck Mason（バックメイソン）は、製品の美しさだけでなく、製造の背景や素材のトレーサビリティにも強い関心を寄せています。

特に注目すべきは、アメリカ国内の工場で製造する体制を整えている点であり、ペンシルバニア州の歴史あるニット工場を買収し、自社でニット製品を生産するなど、地産地消型のサプライチェーンを構築しています。

素材においては、ピマコットンやオーガニックコットン、メリノウール、カシミヤといった高級天然素材を使用し、耐久性と快適性を両立しています。

「着続けることで味わいが出る」ことを前提にした素材選びは、まさに“経年変化を楽しむ服作り”を体現していると言えるでしょう。

フィットとシルエットの調整、用途に応じたスタイル

Buck Mason（バックメイソン）のアイテムは、クラシックなスタイルを踏襲しつつ、現代的なフィットに最適化されています。

たとえば、チノパンには細身のスリムフィットモデルから、伝統的なミリタリーチノを再解釈した「オフィサーズチノ」まで幅広いラインが用意されています。

どちらもウエストの位置やテーパード具合などが巧妙に設計されており、年齢や体型を問わずフィットしやすいよう配慮されています。

また、Tシャツは裾にカーブをもたせた「カーブドヘム」仕様を採用しており、着用時に自然なシルエットを形成します。

生地も厚みがあり、洗濯を重ねても型崩れしにくい点が支持されています。

スタイルのインスピレーション源と全体の雰囲気

Buck Mason（バックメイソン）のスタイルは、南カリフォルニアのライフスタイルやアメリカのワークウェア、ヴィンテージカルチャーにインスピレーションを得ています。

創業者たちの出身地やライフスタイルを背景に、リラックスしたムードとアメリカ的な無骨さが同居した独自のスタイルが築かれています。

インタビューなどによると、ブランドは流行に流されない「普遍性」と「誠実なものづくり」を重視しており、その哲学は全ての製品に反映されています。

日常の中で“気負わず着られるのに、しっかりと品を感じさせる”という評価が、Buck Mason（バックメイソン）の大きな魅力となっています。

まとめ：Buck Mason（バックメイソン）ブランドリリース

Buck Mason（バックメイソン）は、「現代のアメリカンクラシック」を掲げるデザイン哲学のもと、シンプルでありながら奥行きのあるスタイルを提案し続けているブランドです。

派手な装飾や一過性のトレンドに頼ることなく、上質な素材選びと丁寧な縫製、そして普遍的なフィット感を追求する姿勢は、まさに本物志向のユーザーに支持される理由といえるでしょう。

Tシャツやデニムといった日常着の定番アイテムにこそ、Buck Mason（バックメイソン）の美学は如実に表れています。

そのデザインは決して目立つわけではないものの、着るたびに「良さ」が感じられる──そんな服作りへのこだわりが、同ブランドの魅力を支えているのです。

今後もその普遍的でタイムレスなスタイルは、より多くの人々のワードローブに馴染んでいくことでしょう。

PROFILE

IDEALVINCIメンズファッション専門WEBライター

古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。

セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。

起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。