
無地Tシャツの中でも、ひときわ強い存在感を放つブランドとして知られるのが、Pro Club(プロクラブ)です。
ロサンゼルス発のこのブランドは、シンプルながら圧倒的な耐久性と存在感を兼ね備え、多くのストリートファンやアーティストたちに支持されてきました。
その魅力の根底には、妥協なき素材選びや独自のシルエット設計、そして創業者の哲学が息づいています。
この記事では、Pro Club(プロクラブ)のブランドの起源や歴史、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
Pro Club(プロクラブ)の起源と歴史
ブランドの起源-ロサンゼルスでの誕生
Pro Club(プロクラブ)は、アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロサンゼルスで1986年に誕生したヘリテージアパレルブランドです。
主に「Heavyweight Tee(ヘビーウェイトTシャツ)」を中心に展開し、その品質、シルエット、耐久性などで確固たる地位を築いてきました。
Los Angelesのスワップミート(青空市)からスタートし、ストリートカルチャーに根ざしたブランドとして発展していきました。
製造ルーツとOEMからのブランド展開
もともとOEMメーカーであったPro Club(プロクラブ)は、耐久性が高く着心地の良いヘビーウェイトTを供給することで評価されました。
OEMとしてのキャリアを経て、徐々に自らのブランドを確立していった歴史があります。
ストリートカルチャーとの深い結び付き
1990年代初頭、ロサンゼルスのストリートでPro Club(プロクラブ)のTシャツはローカルのスワップミートや小さなショップで販売され、その頑丈さと耐久性から地元の若者、ギャング、ラッパーたちの間で瞬く間に支持されていきました。
参照元:[note.com](https://note.com/teeeetu2/n/n50fb840b9a5b?utm_source=chatgpt.com)
1990年代後半にはチカーノラッパー、ギャングスタラップのアーティストがPro Club(プロクラブ)の白無地Tを着用し、LAスタイルの象徴的アイテムとなりました。
2000年代前半にはThe GameやWestside Connectionのミュージックビデオに登場し、そのシルエットはオーバーサイズ化が進行しました。
メインストリームへの進出
2010年代に入ると、西海岸のラッパーYGやNipsey Hussleを通じ、Pro Club(プロクラブ)は「西海岸の正装」として認識されるようになり、メインストリームへの浸透が明確になりました。
グローバル展開と現在
2020年代には、ストリートファッション層だけでなくハイファッション層へも浸透し、雑誌などでも特集が組まれるブランドとなりました。
ヨーロッパへの展開も進み、世界的にその存在感を広げています。
ブランドの特長
Pro Club(プロクラブ)は「着る人の体型を選ばない」シルエットと、アーティストたちによる“箱買いして毎日新品を着る”ほどの信頼性で知られています。
まさにストリート文化そのものの姿勢です。
また、USA規格のビッグシルエットや6.5オンスのヘビーウェイト素材、詰まり気味のネックラインなど、他ブランドにはない武骨なディテールが、多くの無地Tシャツファンの心を掴んでいます。
ヒップホップスターたち(50 CENTやEminem、Jay‑Zなど)も愛用しているというエピソードも、その人気を物語っています。
ストリートカルチャーに深く根づいた、その確かな品質と存在感が、今も変わらず多くの人々を惹きつけています。
創業者 Young Geun Lee (ヤン・グン・リー)
創業者の背景とブランド設立の動機
Pro Club(プロクラブ)の創業者は韓国出身の Young Geun Lee(ヤン・グン・リー)氏です。
彼はかつてIBMで一般管理職として勤めていましたが、日々の生活に物足りなさを感じ、新たな挑戦を求めていました。
その結果、1986年にすべてを捨てて南カリフォルニアへ移住し、そこから自らの人生とキャリアを再構築する道を選びました。
渡米直後は、卸業者から仕入れたTシャツをスワップミート(青空市場)で売るというビジネスからスタートしました。
徐々に販売規模を拡大し、バンを購入、バーモント・アベニュー付近に倉庫を借りるまでに成長。
こうした小さな努力が、やがてストリートで名を馳せるブランドの基礎となったのです。
PROPAC CORPとしてのスタートとPro Club(プロクラブ)へ
Young Geun Lee氏は1986年、カリフォルニア州ガーデナにて「PROPAC CORP」というOEM製造会社を設立しました。
ここでは他ブランド向けのTシャツや無地ウェアの製造を請け負っており、その中で培った製造ノウハウが後のブランド化につながります。
そして1995年、ついに自社ブランド「Pro Club(プロクラブ)」を立ち上げるに至りました。
家族との協力—Brian Lee 氏の存在
Pro Club(プロクラブ)の発展には、Young Geun Lee氏の家族の支援も大きな力となりました。
とくに息子のBrian Lee氏は、現在マーケティングやEC部門の責任者を務めており、ブランドのデジタル展開やSNS戦略を強化しています。
家族経営によるブランドの一貫性と文化的継承が、今日のPro Club(プロクラブ)に深みを与えています。
創業者Young Geun Lee氏の姿勢とPro Club(プロクラブ)への想い
Young Geun Lee氏は、自身の人生における大きな決断と挑戦を経てPro Club(プロクラブ)を創業しました。
「自分の手で価値を創る」という信念のもと、耐久性と品質に優れた無地Tシャツを生み出し、ブランドとしての独自性を確立していきました。
ストリートから生まれたブランドでありながら、その哲学は実直かつ普遍的であり、多くの人々に愛される理由となっています。
Tシャツ1枚に込められた情熱と努力が、今も世界中のストリートで支持され続けています。
Pro Club(プロクラブ)のデザインの特徴とスタイル
タフで詰まった首元リブに宿る信頼感
Pro Club(プロクラブ)の最大の特徴の一つは、その「首元リブ」の強度とデザインです。
他ブランドのTシャツと比較して首回りのリブが非常に詰まっており、伸びにくく、洗濯によるダメージにも強い作りになっています。
この頑丈さは、何度も洗濯しても首元がだらしなくならず、型崩れしにくいため、長く着用できると高い評価を得ています。
アメリカンな着丈とシルエットが生むボリューム感
Pro Club(プロクラブ)のTシャツは、アメリカブランドならではの長めの着丈とゆとりあるボックスシルエットが特徴です。
過度なオーバーサイズとは異なり、身体を包み込むような自然な大きさと直線的なラインで、誰でも違和感なく着こなせる点が魅力です。
スタイリッシュさと無骨さを併せ持った、絶妙なバランスのデザインといえます。
無垢な白さが織りなすリアルな“白T”の存在感
Pro Club(プロクラブ)の白Tシャツは、純白に近い青みがかった白さが特徴で、“リアルな白T”として存在感を放ちます。
一般的なクリーム系やナチュラルホワイトとは異なる、シャープで清潔感のある白が、シンプルでありながらも強い印象を与える要素となっています。
生地厚バリエーションとモデルの違い
Pro Club(プロクラブ)は着用シーンや好みに応じて選べるモデルが複数用意されています。
代表的なのは「ヘビーウェイト(Heavyweight)」と「コンフォート(Comfort)」の2モデルで、前者は6.5オンスの厚手でしっかりした生地、後者は5.8オンスで柔らかく、季節を問わず快適に着られる仕様です。
それぞれに独自の着用感があり、ユーザーの幅広いニーズに応えています。
ビッグサイズ展開とユニバーサルフィット
Pro Club(プロクラブ)は、Sから5XLまでの豊富なサイズ展開で、多様な体型に対応可能です。
この「着る人を選ばない」という姿勢は、ブランドの大きな特徴であり、ストリートカルチャーの現場から一般層まで広く受け入れられる理由となっています。
ゆったりとした着心地と、スタイルに左右されにくいユニバーサルなフィットが魅力です。
シルエットと着用感—無垢だけど存在感あるデザイン
定番モデル「101」では、厚手のガシッとした素材と直線的なボックスシルエットが特徴的です。
一見シンプルなデザインながらも、その佇まいには明確な“力強さ”が感じられます。
無地でありながらも存在感を放つ、まさにストリートに根ざしたリアルなデザインといえます。
選びやすさとデザインの潔さ:価格・カラーバリエーションも魅力
Pro Club(プロクラブ)の魅力は、そのシンプルなデザインに加えて、手に取りやすい価格帯とカラーバリエーションの豊富さにもあります。
無地Tシャツにありがちな「どれを選べばいいかわからない」という迷いを払拭する明快なモデル展開と、ストリートにも対応する多彩なカラーで、ユーザーの選択肢を広げています。
Pro Club(プロクラブ)のデザインは「耐久性・無駄のなさ・着用自由度の高さ」に重きを置いた設計となっており、誰にでも似合う“リアルなスタイル”を体現しています。
シンプルながらも芯の通ったアイデンティティが、多くのファンを惹きつけてやまない理由です。
まとめ:Pro Club(プロクラブ) ブランドリリース
Pro Club(プロクラブ)は、1986年の創業以来、無地Tシャツの枠を超えた“リアルなストリートウェア”として確固たる地位を築いてきました。
創業者Young Geun Lee氏の情熱から生まれたブランドは、首元リブの強さやタフな生地感、サイズの豊富さといったディテールにまでこだわり抜かれ、誰が着ても似合うユニバーサルなスタイルを体現しています。
そのデザインは決して華美ではなく、むしろ無駄を削ぎ落としたミニマルな美しさに満ちています。
しかし、その“潔さ”こそがPro Club(プロクラブ)の最大の魅力であり、だからこそヒップホップカルチャーやストリートシーンの中で確かな信頼を得てきたのです。
これからもPro Club(プロクラブ)は、普遍的な価値を持つ“無地Tシャツ”の王道として、多くの人々に支持され続けるでしょう。
PROFILE
- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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