ストリートアートとファッションを融合させたブランドとして、世界中で高い人気を誇るOBEY(オベイ)。
そのアイテムは単なる衣服ではなく、社会的・政治的なメッセージを内包した“アート作品”とも言える存在です。
アート、カルチャー、思想をまとったデザインの背景には、創業者シェパード・フェアリーの強い信念が息づいています。
この記事では、OBEY(オベイ)のブランドの起源と歴史、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
OBEY(オベイ)の起源と歴史:アートからファッションへと進化したブランドの軌跡
シェパード・フェアリーと「OBEY(オベイ)」の誕生
OBEY(オベイ)は、アメリカのストリートアーティストであり、デザイナー、活動家としても知られるシェパード・フェアリー(Shepard Fairey)によって設立されたブランドです。
彼は、1989年にロードアイランドデザイン学校在学中に、プロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントをモチーフにしたステッカー「ANDRE THE GIANT HAS A POSSE」を制作し、これが後に「OBEY GIANT」として知られるようになりました。
このステッカーキャンペーンは、フェアリーのアート活動の出発点であり、彼の社会的・政治的メッセージを伝える手段として機能しました。
彼は、自身のことを「ストリートアーティスト」ではなく「ビジュアルコミュニケーター」と称し、アートを通じて大衆に訴えることを目的としています。
アートからファッションへ:OBEY CLOTHINGの設立
2001年、フェアリーは自身のアート活動の延長として、アパレルブランド「OBEY CLOTHING」を立ち上げました。
彼は、初期のステッカーやポスターと同様に、ファッションを通じてメッセージを広める手段として捉えており、Tシャツやスウェット、帽子などのアイテムを展開しています。
OBEY CLOTHINGは、グラフィックプリントを中心としたデザインで人気を集め、近年ではロングコートやジャケット、スラックスといったクラシックなアイテムも展開し、大人のストリートウェアへと進化を遂げています。
社会的メッセージとアートの融合
フェアリーの作品は、環境問題、格差社会、ジェンダー平等、人種差別など、現代社会が抱える問題に対するメッセージを込めたものが多く、彼のアートは社会的・政治的なプロパガンダを取り入れたデザインが特徴です。
特に、2008年のアメリカ大統領選挙期間中に自主制作したバラク・オバマのポスター「HOPE」は、オバマの公式キャンペーンポスターとして起用され、世界的に知られるようになりました。
日本におけるOBEY(オベイ)の展開
日本では、株式会社ビーズインターナショナルがOBEY(オベイ)の正規代理店として展開しています。
2022年6月には「calif SHIBUYA」にて、シェパード・フェアリーの作品展が開催され、初期の90年代の作品から最近のものまで、シルクスクリーン版画を中心に70点ほどが展示されました。
OBEY(オベイ)は、シェパード・フェアリーのアート活動から派生したブランドであり、社会的・政治的メッセージを込めたデザインが特徴です。
アートとファッションを融合させたOBEY CLOTHINGは、ストリートウェアとしての地位を確立し、世界中で支持を集めています。
OBEY(オベイ)の創業者:シェパード・フェアリーの軌跡と思想
シェパード・フェアリーとは誰か?
OBEY(オベイ)の創業者であるシェパード・フェアリー(Shepard Fairey)は、1970年にアメリカ・サウスカロライナ州チャールストンで生まれました。
彼は、ストリートアーティスト、グラフィックデザイナー、活動家として知られ、その多面的な活動で世界的な影響力を持つ人物です。
フェアリーは、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)で学び、学生時代からアートと社会的メッセージを融合させた作品を制作してきました。
「ANDRE THE GIANT HAS A POSSE」から始まるアート運動
1989年、フェアリーはプロレスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントの顔をモチーフにしたステッカー「ANDRE THE GIANT HAS A POSSE」を制作し、街中に貼り始めました。
このステッカーは、ヒップホップ文化のスラングである「POSSE(仲間)」を用い、サブカルチャーとアートの融合を象徴するものでした。
この活動は、後に「OBEY GIANT」として知られるアート運動へと発展し、フェアリーの名を世界に知らしめるきっかけとなりました。
「OBEY(オベイ)」の誕生とその意味
1994年、フェアリーは法的リスクを避けるため、ステッカーのデザインを変更し、「OBEY(従え)」という言葉を前面に出しました。
この言葉は、広告やプロパガンダが無意識のうちに人々に影響を与えることへの皮肉を込めたものであり、アートを通じて社会に対する批判的な視点を提示するフェアリーの姿勢を象徴しています。
「OBEY」は、単なるブランド名ではなく、彼のアート哲学そのものを表しています。
OBEY CLOTHINGの設立とファッションへの展開
2001年、フェアリーは自身のアートをより多くの人々に届ける手段として、アパレルブランド「OBEY CLOTHING」を設立しました。
このブランドは、彼のアートと同様に、社会的・政治的メッセージを込めたデザインが特徴であり、ストリートウェアとして世界中で支持を集めています。
フェアリーは、ファッションを通じてアートのメッセージを広めることを目指し、OBEY(オベイ)を単なる衣服のブランド以上の存在へと昇華させました。
社会的・政治的メッセージを込めたアート
フェアリーの作品は、環境問題、格差社会、ジェンダー平等、人種差別など、現代社会が抱える問題に対するメッセージを込めたものが多く、彼のアートは社会的・政治的なプロパガンダを取り入れたデザインが特徴です。
特に、2008年のアメリカ大統領選挙期間中に自主制作したバラク・オバマのポスター「HOPE」は、オバマの公式キャンペーンポスターとして起用され、世界的に知られるようになりました。
アートと社会をつなぐビジュアルコミュニケーター
フェアリーは、自身を「ストリートアーティスト」ではなく「ビジュアルコミュニケーター」と称し、アートを通じて社会にメッセージを伝えることを使命としています。
彼は、アートが持つ感情的な力を活用し、社会的な問題に対する意識を高めることを目指しています。
そのため、彼の作品は視覚的に強烈でありながら、深いメッセージ性を持ち、多くの人々に影響を与えています。
OBEY(オベイ)の創業者、シェパード・フェアリーは、アートと社会的メッセージを融合させた作品で世界的な影響力を持つアーティストです。
彼の活動は、ストリートアートの枠を超え、ファッション、政治、社会運動など多岐にわたります。
OBEY(オベイ)は、彼の哲学とメッセージを体現するブランドとして、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。
OBEY(オベイ)のデザインの特徴とスタイル:アートとメッセージが融合したストリートウェア
アートとファッションの融合:OBEY(オベイ)のデザイン哲学
OBEY(オベイ)は、ストリートアーティストであるシェパード・フェアリーが2001年に設立したブランドであり、彼のアートと社会的メッセージをファッションに落とし込んだ独自のスタイルが特徴です。
フェアリーは、アートを通じて社会にメッセージを伝える「ビジュアルコミュニケーター」として、自身の思想や信念をデザインに反映させています。
グラフィックデザインの特徴:力強いメッセージとビジュアル
OBEY(オベイ)のデザインは、力強いグラフィックと明確なメッセージ性が特徴です。
フェアリーの作品には、社会的・政治的なテーマが込められており、環境問題や人種差別、平和などに対する彼の考えが反映されています。
例えば、「PEACE DOVE BLUE」では、平和の象徴である鳩と曼荼羅模様を組み合わせ、協調と平和のメッセージを表現しています。
ストリートカルチャーとの深い結びつき
OBEY(オベイ)は、スケートボードやパンクロック、ヒップホップなどのストリートカルチャーと深く結びついています。
そのため、デザインにはこれらのカルチャーから影響を受けた要素が多く取り入れられており、若者を中心に支持を集めています。
また、フェアリー自身がスケーターであり、彼のライフスタイルがブランドのデザインに反映されています。
多様なアイテム展開と進化するスタイル
OBEY(オベイ)は、Tシャツやスウェット、ジャケット、パンツなど、幅広いアイテムを展開しています。
特に、グラフィックプリントが施されたTシャツはブランドの代表的なアイテムとして人気があります。
近年では、ロングコートやスラックスなどのクラシックなアイテムも取り入れ、大人のストリートウェアとして進化を遂げています。
OBEY(オベイ)は、シェパード・フェアリーのアートと社会的メッセージを融合させた独自のデザインが特徴のブランドです。
力強いグラフィックと明確なメッセージ性、ストリートカルチャーとの結びつき、多様なアイテム展開などにより、世界中のファンを魅了し続けています。
まとめ:OBEY ブランドリリース
OBEY(オベイ)は、シェパード・フェアリーの社会に対する鋭い視点とアートへの情熱をファッションに昇華させた、唯一無二のブランドです。
力強いグラフィックと明確なメッセージ性を持つデザインは、ストリートカルチャーと深く結びつきながら、常に進化を続けています。
Tシャツからアウターまで多様なアイテムを展開しつつ、アートと思想をまとった服づくりを貫いている点が、OBEY(オベイ)の最大の魅力です。
今後も、社会的意義を内包したファッションをリードする存在として、多くの支持を集めていくことでしょう。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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