
1997年に誕生したEMPIRE(エンパイア)は、音楽シーンをルーツに持つ稀有なストリートブランドとして、東京のカルチャーとともに進化を遂げてきました。
創業者・白川貴善氏の感性を反映したスタイルは、単なるファッションの枠を超え、音楽・アート・ストリートを融合させた独自の世界観を築いています。
この記事では、EMPIRE(エンパイア)のブランドの起源や歴史、創業者・デザイナーの背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
EMPIRE(エンパイア)の起源と歴史
ブランドのはじまり
EMPIRE(エンパイア)は、1997年にスタートした日本のストリートブランドとして知られています。
このブランドを始めたのは、バンド「BACK DROP BOMB(バックドロップ・ボム)」のボーカルである白川貴善(Takayoshi Shirakawa)氏です。
立ち上げ当初は、ごく限られた販路で展開され、バウンティーハンター(Bounty Hunter)などのショップで取り扱いがスタートしました。
その後、徐々に注目を集め、ストリートシーンにおける存在感を強めていきます。
成長と展開
1997年の創設以降、EMPIRE(エンパイア)は東京の恵比寿を中心としたストリートファッションカルチャーの中で独自の立ち位置を築いていきました。
いわゆる「恵比寿系ストリートブランド」として、音楽やカルチャーと密接に関わりながら人気を集めていきます。
創業者である白川氏がミュージシャンであるというバックグラウンドも、ブランドのカルチャー性や表現性に強く影響を与え、単なるファッションブランドではなく、音楽やアートの要素を融合したスタイルを発信してきました。
ブランド理念とアイデンティティ
EMPIRE(エンパイア)のブランド名には、「あらゆるカルチャーを包括する帝国(Empire)」という意味が込められています。
この考え方は、ストリートファッションを一つのスタイルに閉じ込めず、多様なカルチャーや価値観を取り入れていく柔軟な姿勢を象徴しています。
初期から現在に至るまで、プロモーションに頼るのではなく、共感や信頼を重視したクリエイションを行っており、コアなファン層に支持されるブランドとなっています。
意義と今後の可能性
EMPIRE(エンパイア)は、音楽とストリートカルチャーの融合を軸に展開されてきた稀有なブランドです。
1997年から継続してきた実績は、日本のストリートシーンにおける歴史の一部とも言えるでしょう。
今後の展開としては、これまで以上にカルチャーとの連動を強め、アーティストや他ブランドとのコラボレーションを通じて新たなフェーズへと進化していくことが期待されます。
また、ストリートブランドとしての原点を保ちつつ、世代を超えて共感を生むスタイルを打ち出し続けることが、EMPIRE(エンパイア)にとっての次のステージとなるでしょう。
EMPIRE(エンパイア)創業者:白川貴善について
EMPIRE(エンパイア)は、1997年に誕生した日本のストリートブランドで、音楽シーンから生まれた独自のカルチャー性を持つことで知られています。
ここからは、ブランドの創業者である白川貴善氏の人物像と、EMPIRE(エンパイア)の成り立ちに込められた背景について詳しくご紹介します。
創業者 白川貴善氏について
EMPIRE(エンパイア)の創業者は、バンド「BACK DROP BOMB(バックドロップ・ボム)」のボーカリストとして知られる白川貴善(Takayoshi Shirakawa)氏です。
彼は音楽活動と並行してブランドを立ち上げるという異色の経歴を持ち、音楽シーンで培った感性をファッションに落とし込むことで、ブランドの独自性を確立しました。
ブランド立ち上げの背景
白川氏がEMPIRE(エンパイア)を立ち上げたのは、1997年のことです。
当初はバウンティーハンター(Bounty Hunter)といった限られたショップで取り扱いをスタートし、コアなカルチャー層との結びつきを重視した展開を行っていました。
このような初期展開は、ブランドの理念である「カルチャーとの共鳴」を象徴しています。
ブランド名に込められた意味
EMPIRE(エンパイア)というブランド名には、「あらゆるカルチャーを包括する帝国(Empire)」という意味が込められています。
白川氏は音楽・ファッション・アートなど異なるカルチャーをファッションに融合させることで、単なる服作りを超えた「場」をつくり出すことを目指していました。
この理念がブランドのデザインや活動全般に色濃く反映されています。
音楽とファッションの融合
白川氏がミュージシャンとしての活動を続けながらブランドを運営したことは、EMPIRE(エンパイア)が他のストリートブランドと一線を画す理由のひとつです。
音楽シーンで培った表現力や価値観がブランドに注ぎ込まれ、ファッションを通してカルチャーを発信するスタイルを確立しました。
その結果、EMPIRE(エンパイア)は服という枠を超え、カルチャーを映し出すブランドとして評価されるようになりました。
EMPIRE(エンパイア)は、創業者である白川貴善氏の音楽的バックグラウンドとカルチャーへの深い理解を基盤に、1997年に誕生したブランドです。
限られた販路からスタートしつつも、音楽とファッションを融合させることで独自の世界観を構築し、多くのファンに支持されてきました。
現在もその理念は受け継がれ、カルチャーとファッションをつなぐブランドとして存在感を放ち続けています。
EMPIRE(エンパイア)のデザインの特徴とスタイル
多ジャンルを包摂するデザイン志向
EMPIRE(エンパイア)は、ブランド名のとおり “あらゆるカルチャーを包括する帝国(Empire)” という理念を掲げています。
これは、特定のジャンルにとらわれず、音楽、ストリート、アート、サブカルチャーなど多様な要素を取り込みながらデザインを構成する姿勢を意味します。
この包摂性は、たとえばストリートファッションの定番アイテム(パーカー、Tシャツ、キャップ、デニムなど)を基調としつつ、シルエット・素材・プリント表現で他ブランドとの差別化を図るという戦略と整合します。
EMPIRE(エンパイア)は、極端な装飾や過度の主張に依存するのではなく、カルチャーのメッセージ性をデザインのディテールに落とし込むスタイルが目立ちます。
シルエットとフォルムの選択
EMPIRE(エンパイア)が採るデザインでは、シルエットが非常に重要です。
ストリートブランドとしての性質を持ちながらも、野暮ったさを排し、洗練を意識したカットやフォルムが見られます。
ゆとりのあるオーバーサイズライン、ドロップショルダー、少しだけ収まりを持たせた丈など、「ストリート感」と「日常着としての着やすさ」のバランスを取ることが意図されています。
また、プリントやグラフィック表現を用いる際も、シルエットを損なわない配置・サイズ感の調整に慎重な印象があります。
派手なロゴやグラフィックをただ載せるのではなく、アイテム全体との調和を重視した表現がなされています。
素材・質感のアクセント
EMPIRE(エンパイア)のデザインは、素材選定にもこだわりが感じられます。
コットン、スウェット生地、デニム、ナイロンなどストリートファッションで定番の素材をベースに、質感・厚み・風合いの違いを活かしてアイテムを展開することで、見た目の印象に奥行きを持たせています。
また、プリントや刺繍、織りの手法を駆使して、「色だけで主張する」表現に留まらないレイヤード感やテクスチャーの重層性を与えることがあります。
こうした素材と表現の掛け合わせによって、シンプルなアイテムでも深みを持たせるスタイルが見えるのです。
グラフィック・ロゴ使いの戦略性
EMPIRE(エンパイア)において、ロゴやグラフィックの扱い方は単なる装飾ではなく、ブランドとしての主張・メッセージを伝える手段と位置づけられています。
過度にロゴを全面に出すのではなく、部分的なプリント配置、あるいは控えめなロゴ使いをアクセントに据えるケースも目立ちます。
たとえば、前胸・背面・袖・裾といった複数の位置に分散配置するデザインを用い、見る角度・着用状態で「見せるロゴ」が変化するような構図も使われます。
こうした戦略的なロゴ使いにより、単なるブランド名訴求ではなく、 “着る人と共鳴する表現” としてのデザインが追求されているのです。
モードとストリートの接点
EMPIRE(エンパイア)は、ストリートブランドでありながら、モードの要素を軽く取り入れることで、より洗練された印象を兼ね備えようとする試みが感じられます。
過度に装飾的なモードではなく、シンプルさ・ミニマルさの中に一捻りを入れたデザインバランスが見られます。
これは、ブランドが “恵比寿系ストリート” という文脈で語られることの多さと合致します。
都市部のファッション感度の高い層を意識しつつ、ストリート感を保つというポジショニングをデザインで実現しているのです。
EMPIRE(エンパイア)のデザインとスタイルは、一言で言えば「多様なカルチャーを反映しつつも、過度な主張に頼らない洗練性」を持つものです。
シルエット、素材、ロゴ表現、そしてモードとストリートの融合といった複数の要素が、ブランドのアイデンティティと整合しながら形作られています。
こうしたデザイン戦略により、EMPIRE(エンパイア)は単なる流行服ブランドとは一線を画し、 “見る者・着る者双方と対話するブランド表現” を体現できるようになっていると言えるでしょう。
まとめ:EMPIRE(エンパイア) ブランドリリース
EMPIRE(エンパイア)は、1997年に音楽とともに生まれたストリートブランドとして、ジャンルにとらわれないカルチャーの融合をデザインに落とし込んできました。
創業者・白川貴善氏の表現力と、都市に根ざした感性によって生まれたスタイルは、過度な装飾に頼らずとも強い存在感を放ちます。
シルエット、素材、ロゴ配置のひとつひとつに意味を込めながら、ストリートとモードの中間を行くような絶妙なバランス感覚で、ブランド独自の世界観を構築しています。
EMPIRE(エンパイア)はこれからも、カルチャーをまといながら、時代と共鳴するファッションを体現し続ける存在であり続けるでしょう。
PROFILE
- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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