メンズファッションにおいて、シルエットはコーディネート全体の印象を大きく左右する重要な要素です。
シルエットの選び方ひとつで、スタイルにメリハリをつけたり、体型を美しく見せたりすることができます。
また、ファッションのトレンドは常に変化しており、それに伴いシルエットの流行も移り変わります。
特に近年では、オーバーサイズのリラックスしたスタイルや、タイトなシルエットを活かしたミニマルなファッションなどが注目されています。
この記事では、シルエットの基本的な種類から、季節に応じたシルエットの選び方、そして最新のトレンドとシルエットの関係についてご紹介します。
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シルエットの重要性
メンズファッションにおいて、シルエットは全体の印象を決定する非常に重要な要素です。
服のデザインや色、素材ももちろん大切ですが、それ以上に体型や動きに応じてどのようなシルエットが生まれるかが、コーディネートの完成度を左右します。
ファッションの世界では、「シルエットによってスタイルが決まる」とも言われるほど、全体のバランス感が重要です。
例えば、上下ともに細身の服を選べばシャープでスタイリッシュな印象を与える一方で、上半身にボリュームを持たせ、下半身をスリムにまとめることで、アクティブで男性的な雰囲気を作ることができます。
また、シルエットの選び方は体型をカバーするためにも役立ちます。
特に、日本人の体型は欧米と比べて骨格や筋肉の付き方が異なるため、シルエットを意識することで体のラインを綺麗に見せることが可能です。
例えば、肩幅が狭い場合はAラインやVラインのシルエットを選ぶことで、全体的なバランスを整えることができます。
シルエットの種類とその効果
シルエットには主に「Aライン」「Iライン」「Vライン」などの形があり、それぞれが異なる印象を与えます。
これらのシルエットを上手に取り入れることで、個々のスタイルに合わせたファッションを楽しむことができます。
例えば、Iラインはスリムで縦長の印象を作り出し、全体をすっきりと見せたい場合に適しています。
これに対して、Aラインは下半身にボリュームを持たせ、リラックス感やカジュアルさを演出できます。
また、Vラインは上半身にボリュームを持たせることで、男性的で力強い印象を与えることができ、特にアウターやジャケットでよく見られるスタイルです。
シルエット選びは、トレンドを取り入れつつ、TPO(Time, Place, Occasion: 時間・場所・場合)に応じたバランス感覚が求められます。
ビジネスシーンやカジュアルシーン、さらにはフォーマルな場面でも、それぞれに適したシルエットを選ぶことが重要です。
シルエットの基本的な種類
メンズファッションにおけるシルエットは、全体の印象やスタイルを大きく左右します。
基本的なシルエットには「Aライン」「Iライン」「Vライン」があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
ここでは、各シルエットの特徴と、それを取り入れたコーディネートのポイントを詳しく見ていきます。
Aラインシルエット
Aラインシルエットは、上半身がタイトで、下半身に向かって広がっていく形が特徴です。
まるでアルファベットの「A」のような形をしていることからその名が付けられています。
このシルエットは、肩幅が狭く腰回りが太めの人に適しており、上半身を引き締めながら下半身にボリュームを持たせることで、全体のバランスを整える効果があります。
Aラインシルエットの具体例
- コートやロングジャケット: トップスにタイトなジャケットを合わせ、ボトムスにワイドパンツやフレアパンツを着用することでAラインが完成します。特に、秋冬シーズンのアウター選びでは、ロングコートやトレンチコートがこのシルエットを作りやすいアイテムです。
- パンツ選び: ワイドパンツやフレアデザインのパンツは、自然にAラインシルエットを形成します。ゆったりしたシルエットを強調することで、カジュアルかつリラックスした印象を与えます。
Iラインシルエット
Iラインシルエットは、全体的に縦に細長く見える形で、上半身から下半身までまっすぐなラインを形成することが特徴です。
スタイルをよりシャープに見せる効果があり、特にスリムな体型の方にはおすすめのシルエットです。
また、このシルエットはビジネスシーンやフォーマルな場面でも使いやすく、シンプルで洗練された印象を与えます。
Iラインシルエットの具体例
- スリムフィットのスーツ: スーツの上下をスリムなシルエットにすることで、Iラインの効果が発揮されます。ビジネスシーンでは、シャープでエレガントなスタイルを強調するためにこのシルエットがよく用いられます。
- スキニーパンツやタイトパンツ: ボトムスにスキニーパンツやタイトなパンツを選ぶことで、シンプルかつ縦長なシルエットを強調できます。
Vラインシルエット
Vラインシルエットは、上半身にボリュームを持たせ、下半身をすっきりと見せるスタイルです。
このシルエットは特にスポーティなファッションやストリートファッションに多く見られ、上半身の筋肉や肩幅を強調するため、男性的な力強さをアピールすることができます。
ジャケットやアウターなど、上半身にボリュームを持たせるアイテムを使うことで、簡単にVラインを作ることができます。
Vラインシルエットの具体例
- ボンバージャケットやMA-1: アウターにボリュームのあるジャケットを選び、ボトムスにスリムなパンツを合わせることで、上半身に重みを持たせたVラインを作り出します。特に、寒い季節にはMA-1やダウンジャケットなどのアイテムが人気です。
- スポーツウェア: トレーニングウェアやスポーツジャケットは、自然にVラインを強調します。アクティブな印象を与えることができ、動きやすさとスタイルを両立したコーディネートが可能です。
このように、各シルエットの特徴を理解して選ぶことで、コーディネートにメリハリをつけたり、自分の体型に合わせたスタイルを作り出すことが可能です。
シルエットを意識したコーディネートは、ファッションの完成度を一段と高めてくれる重要なポイントです。
シルエット別のコーディネートポイント
メンズファッションでは、シルエットを意識することで、全体のバランスを取った魅力的なコーディネートを作ることができます。
ここでは、シルエットごとのコーディネートのポイントや、アイテム選びのコツについて詳しく解説します。
オーバーサイズシルエット
オーバーサイズシルエットは、体にフィットしないゆったりとした服を使い、リラックス感を演出するスタイルです。
トレンドとして人気が高く、カジュアルでありながらもどこかストリート感やモードな印象を与えることができます。
コーディネートのポイント
- トップスにオーバーサイズのアイテムを使用: オーバーサイズのスウェットシャツやTシャツをトップスに取り入れると、自然にゆったりとしたシルエットが作れます。これにスキニーパンツを合わせることで、トップスにボリュームを持たせ、バランスの取れたスタイリングが可能です。
- ボトムスもゆったりとしたアイテムを選ぶ: ワイドパンツやバギーパンツなどのゆったりとしたボトムスを合わせると、全体にボリュームのあるシルエットが完成します。この場合、全体の色を抑えたり、シンプルなアクセサリーでコーディネートを引き締めるのがポイントです。
おすすめのアイテム
- オーバーサイズパーカー、バギーデニム、ワイドパンツ
タイトシルエット
タイトシルエットは、体にフィットしたアイテムを用いることで、シャープでスタイリッシュな印象を与えるスタイルです。
ビジネスやフォーマルなシーンにも適しており、シンプルかつ洗練されたコーディネートを作ることができます。
コーディネートのポイント
- フィット感のあるアイテムを選ぶ: 上下ともに体にフィットしたスリムなアイテムを使用することで、スマートな印象を演出します。特に、ジャケットやスーツを使ったコーディネートでは、肩やウエストのラインをしっかり見せることが重要です。
- 細身のパンツで脚長効果を狙う: タイトなシルエットのパンツを選ぶことで、縦長のシルエットが強調され、全体がすっきりとした印象に仕上がります。特に、黒やダークトーンのスキニーパンツは、脚を細く長く見せる効果がありおすすめです。
おすすめのアイテム
- スリムフィットのジャケット、スキニーパンツ、フィット感のあるシャツ
レイヤードシルエット
レイヤードシルエットは、複数のアイテムを重ね着することで、奥行きや立体感を演出するスタイルです。
特に、秋冬の季節においては、防寒も兼ねて、重ね着がよく取り入れられます。
コーディネートのポイント
- 異なる長さや素材のアイテムを組み合わせる: ロングコートの下にショート丈のジャケットやカーディガンを重ねることで、奥行きのあるシルエットを作り出すことができます。異なる素材やカラーを使うことで、さらにコーディネートに動きが生まれます。
- 重ね着のバランスを意識する: レイヤードシルエットでは、バランスが重要です。全体が重くなりすぎないように、軽めの素材と厚手の素材を組み合わせたり、アクセサリーでポイントを加えると、コーディネート全体が引き締まります。
おすすめのアイテム
- ロングコート、ダウンベスト、カーディガン
シルエットを意識したコーディネートは、日常のスタイルを大きく変えることができます。自分の体型やシチュエーションに合わせて、適切なシルエットを選び、コーディネートにメリハリをつけましょう。
シーズン別シルエットの選び方
季節ごとに適したシルエットを選ぶことは、メンズファッションにおいて重要な要素です。
気温や素材感に合わせたコーディネートを意識することで、快適さとスタイリッシュさの両方を兼ね備えた着こなしが可能になります。
ここでは、春夏と秋冬のシーズン別に適したシルエットの選び方を紹介します。
春夏シーズンのシルエット選び
春夏のコーディネートでは、軽やかさと通気性が求められます。
気温が上がる季節には、体を締め付けすぎないリラックスしたシルエットが人気です。
コーディネートのポイント
- Aラインシルエット: 上半身にフィット感のあるトップスを選び、下半身に広がりのあるワイドパンツやフレアパンツを合わせることで、春夏らしい軽やかな印象を作り出せます。風通しの良いリネン素材や薄手のコットン素材を選ぶことで、涼しさを確保しながらもおしゃれに着こなせます。
- Iラインシルエット: 縦にすっきりとしたシルエットを作りたい場合は、Iラインがおすすめです。Tシャツやシャツをスリムパンツと組み合わせることで、シンプルかつ洗練されたスタイルが完成します。特に、白や淡いトーンのアイテムを取り入れると、爽やかな春夏の雰囲気を強調できます。
素材とアイテム選び
- リネンやコットンのトップス: 通気性の高い素材を選ぶことで、暑い季節でも快適に過ごすことができます。
- ショートパンツやクロップドパンツ: 春夏シーズンには、短めのボトムスを取り入れることで、軽快でカジュアルな印象を与えることができます。
秋冬シーズンのシルエット選び
秋冬シーズンは、寒さ対策とファッション性のバランスが重要です。
重ね着を楽しみながら、シルエットにメリハリをつけることで、ボリューム感のあるコーディネートが可能になります。
コーディネートのポイント
- Vラインシルエット: 秋冬には、上半身にボリュームを持たせたVラインシルエットが人気です。ジャケットやコート、ニットなどの厚手のトップスを使い、ボトムスはスリムなパンツやジーンズで引き締めると、バランスの取れたスタイルになります。特にダウンジャケットやMA-1などのアウターは、Vラインを強調しやすいアイテムです。
- レイヤードシルエット: 重ね着を取り入れることで、秋冬ならではの立体感のあるシルエットを作ることができます。例えば、薄手のシャツにニットを重ね、その上からコートを羽織ることで、奥行きのあるスタイルが完成します。異なる長さや素材感を組み合わせることで、洗練されたコーディネートが楽しめます。
素材とアイテム選び
- ウールやカシミヤのトップス: 防寒性が高く、シーズン感のある素材を選ぶことで、暖かさとファッション性を両立させられます。
- ロングコートやダウンジャケット: 秋冬のアウターは、ボリュームのあるアイテムを選ぶとシルエットに厚みが出て、シーズン感が強まります。
シーズンに合わせて適切なシルエットとアイテムを選ぶことで、スタイルに合わせた快適さとファッション性を両立させたコーディネートを楽しむことができます。
トレンドとシルエットの関係
メンズファッションにおけるトレンドは年々変化しており、それに伴いシルエットも進化しています。
特に、近年のファッションはオーバーサイズやリラックス感を重視したシルエットが多くの注目を集めています。
ここでは、最新のファッショントレンドとシルエットの関係性について詳しく解説します。
オーバーサイズシルエットのトレンド
近年、特にストリートファッションやカジュアルスタイルにおいて、オーバーサイズシルエットが定着しています。
これは1980年代から90年代にかけて流行したファッションスタイルの復刻ともいえ、トップスやボトムスをあえて大きめに着用することで、リラックスした雰囲気を作り出すスタイルです。
トレンドの特徴
- ストリートファッションとの結びつき: オーバーサイズのスウェットやパーカー、ワイドパンツなど、ストリートカルチャーを背景にしたアイテムが人気です。特にスケーターファッションやヒップホップファッションの影響を受けたルーズなシルエットが支持されています。
- 多様なアイテムとの組み合わせ: オーバーサイズシルエットは、カジュアルなアイテムだけでなく、テーラードジャケットやコートなど、フォーマルなアイテムにも取り入れられ、ミックススタイルが楽しめるようになっています。
タイトシルエットの復権
一方で、タイトなシルエットも根強い人気を誇っています。スリムなパンツやフィット感のあるジャケットは、ビジネスシーンやフォーマルな場面で重宝されるスタイルです。
特に、スタイリッシュでモダンな印象を与えるため、都会的なファッションを好む層に支持されています。
トレンドの特徴
- ミニマリズムの影響: 無駄を省いたシンプルなデザインが人気を集めており、タイトなシルエットはその象徴的なスタイルとなっています。ミニマルなデザインにより、スタイル全体が引き締まり、洗練された印象を与えます。
- スーツスタイルの定番: ビジネスやフォーマルな場面では、スリムフィットのスーツが依然として主流です。スタイルをスマートに見せることができ、体型を美しく強調するタイトなシルエットは、シーンに応じた清潔感とプロフェッショナルな印象を与えます。
レトロスタイルとシルエットの変化
また、2020年代に入り、レトロなファッションスタイルが再び脚光を浴びています。
特に、1970年代から90年代のファッションを再解釈したアイテムやコーディネートが、現代のトレンドとして復活しています。
これに伴い、シルエットも過去のスタイルを現代的にアレンジしたものが増えてきました。
トレンドの特徴
- ベルボトムやフレアパンツの復活: 1970年代に流行したベルボトムパンツが、再びファッションシーンに登場しています。これにより、裾が広がるAラインシルエットが多くのコーディネートに取り入れられ、レトロ感を現代風にアレンジしたスタイルが人気です。
- オールドスクールなジャケット: 1980年代から90年代にかけてのスポーツジャケットやトラックジャケットなども、再び注目されています。これらのアイテムは、オーバーサイズで着こなすことが多く、現代のストリートスタイルにも合ったコーディネートが可能です。
トレンドとシルエットの未来
トレンドは常に変化しており、シルエットもその時々の文化や社会的な背景に影響を受けます。
今後も環境に配慮したサステナブルファッションの普及や、リモートワークの増加によるリラックススタイルの進化など、シルエットのトレンドが多様化することが予想されます。
予測されるトレンド
- サステナブルな素材とオーバーサイズシルエット: 環境に優しい素材を使ったゆったりとしたシルエットの服が、ファッション業界でさらに広がるでしょう。
- スポーツミックススタイルの進化: スポーツウェアとカジュアルウェアを融合させたスタイルが、今後も続々と進化し、シルエットにも新たな変化が見られるでしょう。
このように、トレンドとシルエットの関係性を理解することで、時代に合ったファッションを楽しむことができます。
トレンドに合わせたシルエットを取り入れることで、日々のコーディネートに新しい風を取り入れることができるでしょう。
まとめ:メンズコーディネートで意識するべき「Aライン」「Iライン」「Vライン」シルエット
シルエットは、メンズファッションにおけるスタイルの根幹を成す重要な要素です。
Aライン、Iライン、Vラインなど、シルエットごとに異なる印象を与え、それをどのように活かすかでコーディネートの完成度が大きく変わります。
さらに、季節に合わせたシルエットの選び方や、トレンドとの関係性を理解することで、より自分に合ったスタイリングが可能になります。
近年のファッションシーンでは、オーバーサイズのゆったりとしたシルエットがトレンドとなる一方で、タイトなシルエットも根強い人気を誇ります。
時代や流行に応じてシルエットを上手に取り入れながら、自分らしいコーディネートを楽しむことが、ファッションの醍醐味といえるでしょう。
この記事を参考に、シルエットを意識したスタイリングで、日々のファッションをより一層楽しんでください。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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