アメリカンヴィンテージを追求するブランドの中でも、その再現度の高さとクラフトマンシップで一線を画すのが、WAREHOUSE(ウエアハウス)です。
1995年の創業以来、ヴィンテージジーンズを中心に、本物志向のアイテムを作り続けてきたこのブランドは、素材選びから縫製、シルエットに至るまで、細部へのこだわりを徹底しています。
古き良きアメリカの空気をそのまま現代に蘇らせるような、独自の世界観を持つWAREHOUSE(ウエアハウス)の魅力は、単なるファッションを超えた価値を感じさせてくれるでしょう。
この記事では、WAREHOUSE(ウエアハウス)のブランドの起源や歴史、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
WAREHOUSE(ウエアハウス)の起源と歴史
創業とブランド理念
WAREHOUSE(ウエアハウス)は1995年、大阪で塩谷健一・康二兄弟により創業されました。
ヴィンテージジーンズの忠実な復刻を目指し、「ヴィンテージの忠実な再現」「限りなきディテールの追求」をブランドコンセプトに掲げてスタートしました。
創業当時から、単なるファッションとしてのジーンズではなく、当時の空気感までも再現する“本物志向”のモノづくりを貫いています。
創業者たちの背景と理念
塩谷兄弟は中学生の頃からヴィンテージ古着に魅了され、その解体・研究を重ねていました。
エヴィスジーンズに勤務し、アメカジの本質に触れたのち、満を持して独立。
彼らのモノづくりは、形だけを模倣するものではなく、生地の撚糸や織り方、縫製の番手やピッチまで、徹底的にヴィンテージを再現する「考証」に裏付けられています。
ヴィンテージ再現へのこだわり
WAREHOUSE(ウエアハウス)が生み出すデニムは、アメリカ三州の綿花をブレンドしたオリジナルの「バナーデニム」を使用し、旧式のG3力織機で織られています。
この織機によってしか生まれない、凹凸感やムラのある独特の風合いが、当時のジーンズの味を忠実に再現します。
フラッグシップモデル「1001XX」
WAREHOUSE(ウエアハウス)の代表作として知られる「1001XX」は、1950年代のジーンズをモチーフに開発されたモデルで、13.5オンスのデニム生地を使用し、鉄製ボタン、鹿革パッチなど細部に至るまで当時の仕様を忠実に再現しています。
着込むことで生まれる経年変化が美しく、多くのジーンズファンに支持されています。
今後の展望とブランドの歩み
2020年にはブランド設立25周年を迎え、それを記念したアニバーサリーモデルがリリースされました。
今後もヴィンテージを継承し、次世代へと繋ぐジャパンデニムの象徴的ブランドとして、進化を続けています。
WAREHOUSE(ウエアハウス)の創業者:塩谷健一氏・康二氏の人物像と理念
幼少期からのヴィンテージ愛が礎に
WAREHOUSE(ウエアハウス)の創業者である塩谷健一氏・康二氏は、1973年生まれの双子の兄弟です。
彼らは中学時代からヴィンテージ古着に強く惹かれ、特にアメリカ製のジーンズに魅了されました。
当時からリーバイスのXXモデルを分解して構造を研究するなど、趣味の域を超えた探究心を持ち、学生の頃には既に将来の方向性を定めていたと言っても過言ではありません。
EVISU JEANSでの経験と学び
高校卒業後、二人は大阪の名門デニムブランドであるEVISU JEANSに入社し、3年間の修行期間を過ごしました。
そこでは染めや縫製、パターンに至るまで、手作業による本格的なものづくりを徹底的に学びます。
この経験は、後のブランド設立において不可欠な知識と技術の礎となりました。
若干21歳で独立し、WAREHOUSE(ウエアハウス)を創設
1995年、塩谷兄弟は21歳の若さで独立を果たし、WAREHOUSE(ウエアハウス)を立ち上げます。
最初はチノパンのサンプル制作から始まりましたが、すぐに彼らの真骨頂であるヴィンテージジーンズの復刻に挑みます。
初期モデルは当然ながら販路も資金も限られた中でのスタートでしたが、その妥協なき姿勢が支持を集め、徐々にファンを拡大していきました。
「正解のあるものづくり」という哲学
WAREHOUSE(ウエアハウス)の最大の特徴は、「正解のあるものづくり」という創業者の哲学にあります。
彼らはヴィンテージ古着を“答え”と捉え、可能な限りそれを忠実に再現することに徹します。
糸の番手や撚り、織機の仕様、生地の風合い、縫製のピッチに至るまで、1ミリ単位でのこだわりが詰め込まれています。
創業から現在に至るまで変わらぬ姿勢
創業から30年近く経った今でも、塩谷兄弟は現場に立ち、細部のチェックを欠かしません。
工場との連携を密に行いながら、必要であれば機械の調整や改良まで指示を出す徹底ぶりです。
ヴィンテージをリスペクトし、それを未来に残していくという彼らの信念は、WAREHOUSE(ウエアハウス)の全ての商品に通底しています。
WAREHOUSE(ウエアハウス)のデザインの特徴とスタイル
本格的なヴィンテージ再現を軸としたデザイン思想
WAREHOUSE(ウエアハウス)は、単なるレプリカブランドではなく、「正解のあるものづくり」を標榜し、ヴィンテージジーンズの忠実な再現を徹底して行うブランドです。
その設計思想は、生地・縫製・シルエットのすべてにおいて当時のディテールを解析・考証し、必要であれば旧式の機械や素材調達まで行う徹底ぶりに表れています。
たとえば、「Lot 1001XX」は、1947年頃のリーバイス501XXをベースにしており、織機、糸、リベット、縫製ピッチに至るまで精緻に再現されています。
素材選びとオリジナルデニム—“バナーデニム”の誕生
WAREHOUSE(ウエアハウス)のデニム生地は、アメリカ・テネシー州、テキサス州、アリゾナ州の綿花をブレンドしたオリジナル素材「バナーデニム」が使用されています。
この生地は、1930年代のデニムバナーを基にして開発され、ムラ糸やザラつき感、染色の深みなど、ヴィンテージの質感を極限まで追求した素材です。
13.5オンスという絶妙な厚みは、穿き込みにより独特の色落ちやアタリを生み出します。
旧式力織機「G3」を使った唯一無二の織り
素材の魅力を最大限に引き出すため、WAREHOUSE(ウエアハウス)では岡山県井原市にある工場の旧式力織機「G3」を使用しています。
この織機は生産効率こそ低いものの、デニムに自然な凹凸やムラ感、ゆらぎを与えることができ、穿き込むほどに風合いが増す唯一無二の生地を生み出します。
現代では希少となったこの織機をあえて使い続ける姿勢に、ブランドのクラフトマンシップが感じられます。
モデルごとに異なるディテールの設計
WAREHOUSE(ウエアハウス)では、時代ごとのディテールを忠実に再現した複数モデルを展開しています。
たとえば、戦時下の資材統制を背景に生まれた「S1000XX」では、月桂樹ボタンや省略されたリベット、フラップなしポケットなど、当時の仕様をそのまま再現。
これにより、単なる「雰囲気」ではなく、背景となる時代や文化まで含めたヴィンテージ再現を可能にしています。
アメリカンカジュアル全体に及ぶスタイル構築
WAREHOUSE(ウエアハウス)はジーンズにとどまらず、チノパンやワークジャケット、Tシャツに至るまで、アメリカンカジュアルの世界観をトータルで表現しています。
各アイテムもまた、ヴィンテージをベースにした設計で、着込むことで経年変化を楽しめる素材とパターンが特徴です。
ブランド全体として、スタイルに「リアルさ」と「長く着続けられる価値」を持たせることがデザインの根幹にあります。
まとめ:WAREHOUSE(ウエアハウス) ブランドリリース
WAREHOUSE(ウエアハウス)は、単なるレプリカブランドではなく、ヴィンテージに対する深い理解と敬意をもって「正解のあるものづくり」を体現してきた存在です。
創業者である塩谷兄弟の徹底した考証と、旧式の機械や素材を駆使した再現力は、ファッションという枠を超えて“文化の継承”といえる域にまで達しています。
デニムをはじめとする各アイテムは、穿く人と共に育ち、経年変化を通して唯一無二の存在となっていく—それがWAREHOUSE(ウエアハウス)の真の魅力です。
これからもヴィンテージファンや本物志向のユーザーにとって、確かな信頼と価値を提供し続けるブランドとして、長く語り継がれていくことでしょう。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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