
白Tシャツを極めるというシンプルな発想から出発し、ロサンゼルス発の高品質カットソーブランドとして世界中で注目を集める「Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)」。
その製品は一見すると非常にミニマルでありながら、素材、縫製、構造に至るまで緻密に設計され、静かな存在感を放ちます。
アメリカンスポーツウェアの伝統を再構築し、日常に自然と溶け込むスタイルを提案するこのブランドは、なぜこれほどまでに支持を集めているのでしょうか。
この記事では、Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のブランドの起源や歴史、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
ブランドの起源と歴史――Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)
創業の背景とブランド誕生のきっかけ
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、2015年にアメリカ・ロサンゼルスにて、デニムブランド「Rising Sun Jeans」のデザイナー兼オーナーであるMike Hodis(マイク・ホディス)のもとで働いていたPhillip Proyce(フィリップ・プロイス)によって設立されました。
当初は白いジャージーTシャツだけに特化するという非常にミニマルなスタートでしたが、これは「LOOPWHEELER(ループウィラー)」や「RIDING HIGH(ライディング・ハイ)」といった日本の職人技や吊り編み機による品質の高い服づくりに強く触発された結果でもありました。
こうした背景が、Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のものづくりへの姿勢や美学に深く影響を与えています。
白Tシャツから広がった今日のコレクション
ブランド設立当初は「パーフェクトな白Tシャツ」を追求することが使命でしたが、現在ではジャージー素材のTシャツだけでなく、フリース、スウェット、ポロシャツ、アウターウェア、ボトムス、小物類に至るまで、幅広いスポーツウェアコレクションを展開しています。
そのすべては、ロサンゼルスのデザイン本部から約16km(10マイル)圏内にある家族経営の工場にて、生地の編み立てから縫製、仕上げに至るまで一貫して製造されています。
こうしたローカルな一貫生産体制は、品質とクラフトマンシップへのこだわりを象徴しています。
アメリカ伝統のスポーツウェアへの独自アプローチ
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、アメリカンスポーツウェアの伝統的なスタイルを再解釈し、静かな美意識と機能性を兼ね備えた服づくりを行っています。
2025年春夏の10周年記念カプセルコレクションでは、日常着としての再考された定番アイテムを通して、「静かなる品質」と「はっきりしたスタイル」の両立を追求しています。
また、ミニマリストながらも計算されたディテールにより、着る人の生活に寄り添う構成となっています。
ブランド誕生後の成長と独自の哲学
Philip Proyce(フィリップ・プロイス)は、「使い捨てられる衣服」という従来の概念に対抗し、シンプルでありながら長く大切に着られるクラシックなウェアを作ることを目指しました。
その思いは、すべての製品を「CUT, SEWN, AND KNIT IN LOS ANGELES, CA」として自らの手で品質を管理できるローカル工場に委ねる姿勢に表れています。
また、スケート文化やヴィンテージスポーツウェア、ドキュメンタリー風の写真表現など、多様なヴィジュアルや文化的インスピレーションを融合させながら、ゆるやかでありながら緻密なデザインを生み出しています。
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、2015年にロサンゼルスで誕生した、白Tシャツを極めることから始まったブランドです。
その起源には、創業者フィリップ・プロイスの職人精神、日本の高品質な製造文化へのリスペクト、そしてアメリカのスポーツウェア伝統への愛情が濃厚に刻まれています。
ローカル一貫生産によるクラフトマンシップ、素材とフォルムへの追究、そして余計な装飾を排した静かなる上質こそが、Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)の歴史と魅力を形成する核です。
創業者について
フィリップ・プロイスという人物像
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、2015年にロサンゼルスでフィリップ・プロイス(Phillip Proyce)によって設立されました。
プロイスは米国のデニムブランド「Rising Sun Jeans」のデザイナー、Mike Hodis(マイク・ホディス)のもとでキャリアを積んだのち、自らのブランドを立ち上げています。
ブランドのスタートは“白いジャージーTシャツ”という非常にミニマルで象徴的なプロダクトから始まったのは、その背景が根幹にあると言えるでしょう。
彼はLOOPWHEELERや(日本)やRIDING HIGH(英国)など、高品質カットソーに対する強いリスペクトを持ち、それがLady White Co.(レディホワイトカンパニー)の美意識や製品哲学に深く影響しています。
米国スポーツウェアのクラシックを再検証した精神
フィリップ・プロイスは、Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)を創設するにあたり、アメリカン・スポーツウェアのクラシックさを現代の日常着へと昇華させることを使命としました。
そのため、すべての製品がロサンゼルス市内、特にデザイン拠点から10マイル(約16km)以内の工場で作られ、プロイス自身も生産現場へ頻繁に足を運び、品質と工程を徹底的に管理しています。
小規模ながらも揺るがないチーム体制
プロイスは自身が小規模なチームであるという点にも誇りを持ち、ブランドを成長させてきました。
拠点であるスタジオ兼倉庫にはわずか数名しかいないものの、チーム一人ひとりがその日々の運営に欠かせない存在です。
プロイス自身も「最初に送り出した"Our White T‑shirt"こそが、自分が一番誇れるプロダクトだ」と語っており、その思い入れの強さがブランド全体に深く浸透していることをうかがわせます。
パートナーとの共同ビジョン
また、プロイスと共にブランドを支える存在として、パートナーであるSarahの名前も時に語られます。
彼らはコミュニティやチームとの結びつきを大切にし、ヴィンテージアーカイブや写真表現、デザインへの多様なインスピレーションを日々のプロセスに取り入れています。
ブランドのアウトプットには、彼らのパーソナルな視点や生活そのものが色濃く反映されており、それがLady White Co.(レディホワイトカンパニー)ならではの「静かな存在感」として表れています。
フィリップ・プロイスは、目立たないが質実に、長く愛される“基礎のある服”を作ろうという信念のもとLady White Co.(レディホワイトカンパニー)を設立しました。
「白Tシャツ」というシンプルなアイコンからスタートした背景には、細部への徹底したこだわりと、クラフトマンシップに裏打ちされた製造環境への敬意があります。
小チームながらも堅実な運営、パートナーとの共創、そしてアメリカンベーシックに根差したプロダクトへの向き合い方―これらがすべて、プロイスという人物とその思想のなせる業であり、Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のデザイン精神の中核をなしています。
デザインの特徴とスタイル
シンプルでミニマルな出発点
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、2015年にロサンゼルスで創立され、ブランドの出発点としてジャージー素材を用いた白Tシャツに特化したプロダクトに注力していました。
この「完璧な白Tシャツ」の追求という極めてミニマルな原点が、ブランドの根幹となっています。
現在では、当初のTシャツに加えて幅広いスポーツウェアアイテムを展開するブランドへと成長しています。
ローカルなものづくりと素材へのこだわり
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のコレクションは、デザイン拠点であるロサンゼルスから半径10マイル(約16km)以内にある家族経営の工場で製造されています。
このローカル一貫生産により、品質のコントロールと職人のクラフトマンシップが一貫して守られていることが、ブランドの大きな特徴です。
さらに、ジャージーやスウェットなどすべてのアイテムにおいて、素材(生地)の風合いやしっかりとした編み立てが重視されています。
構造的でありながら着心地を備えたフォルム
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のプロダクトには、チューブ編み(シームレス構造)を採用したTシャツなど、構造へのこだわりが随所に見られます。
この構造によって生まれるすっきりとしたシルエットは、洗練された都会的な印象を与えつつ、着る人に自然な肌馴染みを提供します。
特に「Our T‑Shirt」は、密度の高いコットン素材とリブ襟の形状が長年洗濯しても形崩れしにくいことが評価され、多くの愛用者から支持されています。
実際に「それほど完璧ではないかもしれないが、私の経験ではこれにかなうものがない」という高いレビューも見られます。
ベーシックとクラシックの融合
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、アメリカンスポーツウェアのクラシックな要素をベースにしながら、それをシンプルかつ控えめな現代的な美意識で再構築しています。
例えば、Tシャツからポロシャツ、スウェット、長袖、アウターウェア、ボトムス、アクセサリー類まで、幅広いアイテムをスポーツウェアに由来するスタイルで展開しており、そのすべてが統一感あるデザイン哲学によって支えられています。
洗練されたディテールと日常への溶け込み
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のアイテムは、華美さや過剰な装飾を抑えつつ、芯のしっかりしたディテールを持ちます。
たとえば、「Our T‑Shirt」のように襟や袖まわりを美しく仕上げるバインディング、滑らかなコットンの風合い、絶妙な丈感や幅感など、着る人の生活に自然に馴染むデザインが特徴です。
その結果、まさに「ずっと着ていたい一枚」として、日常に溶け込む存在となっています。
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のデザインスタイルは、極めてシンプルでありながら高品質を追求する姿勢、ローカル生産によって支えられるクラフトマンシップ、構造と着心地の最適なバランス、そしてベーシックなアメリカンスポーツウェアを現代的に再構築する美意識によって形作られています。
その結果生まれるのは、静かながら力強く、長く愛される上質なウェアです。
まとめ:Lady White Co.(レディホワイトカンパニー) ブランドリリース
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)は、白Tシャツという究極にミニマルなアイテムからスタートし、ロサンゼルスのローカル生産体制を活かしながら、上質な素材と構造的なデザインで現代のスポーツウェアを再定義してきました。
過剰な装飾を排した静かな佇まいの中に、確かなクラフトマンシップと現代的な感性が息づいており、日常に自然と溶け込みながらも、着る人のスタイルに奥行きを与える存在となっています。
Lady White Co.(レディホワイトカンパニー)のデザインには、時間と共に深みを増す本物の魅力が凝縮されているのです。
PROFILE
- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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