1990年代のヒップホップカルチャーとともに一世を風靡したストリートブランド、FUBU(フブ)。
その存在は単なるファッションブランドにとどまらず、アフリカ系アメリカ人コミュニティのアイデンティティや誇りを象徴するカルチャーの発信源として、多くの若者たちに影響を与えてきました。
日本でもB系ファッションブームを通じて注目を集め、現在も復刻やコラボを通じて再評価が進んでいます。
この記事では、そんなFUBU(フブ)のブランドの起源と特徴、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
FUBU(フブ)の起源と歴史:ヒップホップカルチャーを象徴するストリートブランド
ブランドの誕生:For Us, By Us(私たちによる、私たちのための)
FUBU(フブ)は、1992年にアメリカ・ニューヨーク州クイーンズのホリス地区で誕生したストリートウェアブランドです。
創業者はデイモンド・ジョン(Daymond John)、キース・ペリン(Keith Perrin)、J・アレキサンダー・マーティン(J. Alexander Martin)、カール・ブラウン(Carl Brown)の4人。
ブランド名「FUBU」は、「For Us, By Us(私たちによる、私たちのための)」の頭文字を取ったもので、アフリカ系アメリカ人コミュニティの自立と誇りを象徴しています。
デイモンド・ジョンは、母親の協力のもと自宅を工場に改装し、初期の製品である帽子を製作・販売しました。
彼らは地元のラッパーや音楽ビデオに製品を提供し、ブランドの認知度を高めていきました。
1994年にはラスベガスで開催されたファッション展示会「MAGIC」に出展し、30万ドル相当の注文を受けるなど、急速に成長を遂げました。
90年代の黄金期:ヒップホップカルチャーとの融合
FUBU(フブ)は、1990年代のヒップホップカルチャーと密接に結びつき、LL・クール・J(LL Cool J)やナズ(Nas)などの著名なラッパーが愛用したことで人気を博しました。
特に、LL・クール・JがGAPのCMでFUBUの帽子を着用し、「For Us, By Us」というフレーズをラップに取り入れたことは、ブランドの知名度を飛躍的に高める要因となりました。
1998年には、年間売上高が3億5,000万ドルを超えるなど、FUBU(フブ)はストリートファッションブランドとしての地位を確立しました。
その後の展開と再興
2000年代初頭、FUBU(フブ)は市場の飽和や過剰在庫などの課題に直面し、2003年にはアメリカ市場から撤退しました。
その後、韓国企業のサムスンがFUBUを買収し、ブランドの再構築が図られました。
2010年には「FB Legacy」としてアメリカ市場に再参入し、2020年にはオリジナルのFUBUブランドとして再始動しました。
現在、FUBUはPUMAやUrban Outfittersなどとのコラボレーションを展開し、現代のストリートファッションシーンに再び存在感を示しています。
日本におけるFUBU(フブ)の展開
日本では、FUBU(フブ)は1990年代から2000年代初頭にかけて、B系ファッションの代表的ブランドとして人気を博しました。
FUBU(フブ)は、「For Us, By Us」という理念のもと、アフリカ系アメリカ人コミュニティの自立と誇りを象徴するストリートウェアブランドとして誕生しました。
1990年代のヒップホップカルチャーと融合し、一世を風靡したFUBUは、現在もその精神を受け継ぎながら、現代のファッションシーンに新たな風を吹き込んでいます。
FUBU(フブ)の創業者:デイモンド・ジョンの軌跡と影響力
FUBU(フブ)は、1990年代のヒップホップカルチャーとともに台頭したアメリカ発のストリートウェアブランドです。
その創業者であり、現在もブランドの顔として知られるのがデイモンド・ジョン(Daymond John)です。
彼の起業家精神と革新的なマーケティング手法は、ファッション業界のみならず、ビジネス界全体に多大な影響を与えました。
デイモンド・ジョンの生い立ちと起業への道
デイモンド・ジョンは1969年2月23日、ニューヨーク市ブルックリンで生まれ、クイーンズ区ホリス地区で育ちました。
10歳の頃に両親が離婚し、早くから働き始めることで起業家精神を養いました。
高校時代には、週ごとに学校と仕事を交互に行うプログラムに参加し、実務経験を積みました。
卒業後は通勤バンサービスを立ち上げ、レッドロブスターでウェイターとして働きながら、ビジネスの基礎を学びました。
彼の母親は、ジョンがファッションビジネスを始める際に大きな支援を提供しました。
母親の協力のもと、自宅を工場として改装し、初期の製品である帽子を製作・販売しました。
このような家庭内での起業が、FUBU(フブ)の始まりとなりました。
FUBU(フブ)の創設と成長
1992年、デイモンド・ジョンは友人のキース・ペリン(Keith Perrin)、J・アレキサンダー・マーティン(J. Alexander Martin)、カール・ブラウン(Carl Brown)とともにFUBU(フブ)を設立しました。
ブランド名「FUBU」は、「For Us, By Us(私たちによる、私たちのための)」の頭文字を取ったもので、アフリカ系アメリカ人コミュニティの自立と誇りを象徴しています。
初期の製品は、釣り糸でトップを結んだウール製のスキーハットで、これを自宅で製作し、地元のジャマイカ・アベニューで販売しました。
1日で800ドルを売り上げるなど、順調なスタートを切りました。
その後、Tシャツやホッケージャージなどの製品を展開し、地元のラッパーや音楽ビデオに製品を提供することで、ブランドの認知度を高めていきました。
1994年には、ラスベガスで開催されたファッション展示会「MAGIC」に出展し、30万ドル相当の注文を受けました。
資金調達のため、母親とともに自宅を担保に10万ドルのローンを組み、製品の生産を拡大しました。
その後、サムスンの投資を受け、FUBU(フブ)は急速に成長を遂げました。
デイモンド・ジョンの多岐にわたる活動
デイモンド・ジョンは、FUBU(フブ)の成功後も多方面で活躍しています。
彼は、ABCのリアリティ番組「Shark Tank」の投資家として知られ、多くの起業家を支援しています。
また、ビジネス書の著者としても成功を収めており、『Display of Power』や『The Power of Broke』などの著書があります。
彼の功績は、数々の賞や栄誉によって認められています。NAACP起業家賞を2度受賞し、2015年にはオバマ大統領から「グローバル起業家精神のための大統領大使」に任命されました。
デイモンド・ジョンは、FUBU(フブ)を通じてアフリカ系アメリカ人コミュニティの自立と誇りを体現し、ストリートファッションの世界に革命をもたらしました。
彼の起業家精神と革新的なアプローチは、多くの人々に影響を与え、現在もなおビジネス界で活躍し続けています。
FUBU(フブ)のデザインの特徴とスタイル:ヒップホップカルチャーを体現するストリートファッション
FUBU(フブ)は、1992年にアメリカ・ニューヨークで誕生したストリートウェアブランドで、「For Us, By Us(私たちによる、私たちのための)」という理念のもと、アフリカ系アメリカ人コミュニティの自立と誇りを象徴しています。
そのデザインは、ヒップホップカルチャーと密接に結びつき、1990年代から2000年代初頭にかけて、世界中の若者たちに支持されました。
ここからは、FUBU(フブ)のデザインの特徴とスタイルについて詳しく解説します。
オーバーサイズとワイドシルエット
FUBU(フブ)のアイテムは、オーバーサイズやワイドシルエットが特徴で、ゆったりとした着こなしが可能です。
例えば、デニムパンツは無地のデニム生地を使用し、どんなスタイルにも合わせやすいシンプルなデザインでありながら、トレンドのワイドシルエットでリラックス感のある着こなしが楽しめます。
ロゴデザインと刺繍
FUBU(フブ)のアイテムには、ブランドロゴが大胆に配置されているものが多く、視覚的なインパクトを与えます。
例えば、Tシャツやスウェットには、フロントやバックに大きく「FUBU」のロゴが刺繍されており、ストリートファッションの象徴的なデザインとなっています。
スポーティーなデザインとコラボレーション
FUBU(フブ)は、スポーティーなデザインを取り入れたアイテムも展開しています。
例えば、atmos pinkとのコラボレーションでは、オフショルダートップスやスウェットベスト、スウェットパンツなど、スポーティーなデザインと女性らしいシルエットが融合したアイテムが登場しました。
カラーバリエーションと素材
FUBU(フブ)のアイテムは、ブラックやホワイト、ネイビーなどのベーシックなカラーを中心に展開されています。
また、デニムやスウェット、ナイロンなど、耐久性と快適性を兼ね備えた素材が使用されており、ストリートファッションに適したアイテムが揃っています。
FUBU(フブ)は、ヒップホップカルチャーを体現するストリートファッションブランドとして、オーバーサイズやワイドシルエット、大胆なロゴデザイン、スポーティーな要素を取り入れたアイテムを展開しています。
そのデザインは、1990年代から2000年代初頭にかけて多くの若者たちに支持され、現在でもストリートファッションの定番として愛されています。
まとめ:FUBU(フブ) ブランドリリース
FUBU(フブ)は、「For Us, By Us」という明確な理念のもと、アフリカ系アメリカ人の文化や誇りを体現したストリートブランドとして誕生しました。
そのデザインには、ヒップホップカルチャーと結びついたオーバーサイズやワイドシルエット、大胆なロゴ、スポーティーな要素などが色濃く反映されており、1990年代から2000年代にかけて世界中の若者に支持されてきました。
現在では、過去の象徴的スタイルを継承しつつ、現代的なコラボレーションを通じて新たなファン層にもアプローチし続けています。
FUBU(フブ)は、時代を超えてストリートファッションの中核を担う存在として、これからも進化を続けていくことでしょう。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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