
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、アメリカのスポーツユニフォーム文化に深く根ざしたブランドとして、世界中のヴィンテージファンから高い評価を得ています。
その魅力は単なる「懐古趣味」にとどまらず、歴史的なユニフォームを忠実に再現しようとするクラフトマンシップと、現代のファッションに自然に溶け込む洗練されたデザイン性にあります。
創業者Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)の情熱を源流に、ブランドはウールキャップやクラシックシャツを通してアメリカンスポーツの記憶を今に伝え続けています。
この記事では、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)のブランドの歴史や起源、創業者の背景、デザインの特徴とスタイルについてご紹介します。
目次
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の起源と歴史
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、ただの「ヴィンテージ風」ブランドではなく、野球ユニフォームとスポーツウェアの歴史を深く愛し、それを再現することに情熱を捧げてきたブランドです。
起源:創業者ジェリー・コーエンのルーツと情熱
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の創業者ジェリー・コーエン(Jerry Cohen)は、幼少期をニューヨーク、ブルックリン近辺で過ごし、歴史ある球場ユニフォームやキャップのロゴ、色使いに強い魅力を感じて育ちました。
彼にとってユニフォームとは、ただファッションという枠だけでなく、「そのチーム・その時代の物語」を表すものだったのです。
このような幼い頃からの「ユニフォームへの憧れ」とコレクション欲は、後に彼がブランドを立ち上げる原動力となります。
ブランド名「Ebbets Field」の由来
ブランド名の “Ebbets Field” は、ブルックリンにかつて存在した歴史的な野球場「Ebbets Field」に由来します。
ブルックリン・ドジャース(Brooklyn Dodgers)の本拠地として知られ、1913年から1957年まで存在していたこの球場は、アメリカ野球界・スポーツ文化における象徴的な場所でした。
ジェリー・コーエンは、幼い頃この球場のそばで育ち、その名前と歴史を自らのブランドに冠することを選びました。
年代と設立地:1988年、シアトルからのスタート
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、1988年にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで創業されました。
初期のプロダクトは、パシフィック・コースト・リーグ(Pacific Coast League)所属であった「San Francisco Seals」や「Seattle Rainiers」のキャップのレプリカなど、過去のチームのユニフォーム要素を復刻することから始まりました。
創業から一貫して、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)はアメリカ生産(Made in USA)を守り、素材・工法・細部のディティールにこだわる姿勢を維持しています。
ユニフォームのウール素材や、当時採用されていた型や縫製などを可能な限り忠実に再現することが、ブランドの核心のひとつです。
主な活動と展開:ヴィンテージの復刻から世界的認知へ
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、設立後すぐにヴィンテージユニフォームの復刻に取り組み、そのユニークさ・正確さで注目を集めました。
キャップ、シャツ、ジャージ、サテンジャケットなど、野球だけでなくスポーツウェア全体にわたるアイテムを、古き良き時代のスタイルを再現してきました。
また、二グロリーグ(Negro Leagues)や当時消滅したマイナーリーグ、パシフィック・コースト・リーグなど、一般にはあまり知られていないリーグやチームのユニフォームも復刻することで、野球文化とその歴史を「記憶」に留める役割を担っています。
さらに、映画への衣装提供などを含め、ポップカルチャー側からも支持を受けるようになります。
たとえば、映画「42」(Jackie Robinson の物語を扱った映画)で使用されたユニフォームの復刻にも関わっています。
ブランドの特色:素材・製造・ディテールへのこだわり
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の製品には、以下のような特色があります。
素材:かつてプロの試合で使われていたウールフランネルやコットンなど、当時の質感・耐久性を再現する素材を使用。
製造工程:一部ハンドメイドであること、アメリカ国内での生産を守ることなど。細部の縫製、フェルトパッチや刺繍、サテン裏地やヴィンテージキャップに見られるディテールなどに力を入れています。
デザイン哲学:デザインは「再現性」「質感」「歴史」といった要素を重視。シルエットやロゴの形、ツバの長さ、色の組み合わせなど、ただ「ヴィンテージ風に見える」だけでなく、歴史の資料に基づいた忠実な復刻を目指しています。
近年の動向とブランドの拡がり
近年、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)はその影響力を拡大し続けています。
日本でも取扱いやポップアップショップの開催、別注モデルの展開が見られ、ヴィンテージベースボールキャップの定番ブランドとしての地位を確立しています。
また、ブランドとしては製品ラインや流通形態の変化も起きています。
世間のヴィンテージ復刻に対する関心の高まり、二グロリーグなど歴史的に認知が不十分だったテーマへのリバイバルという社会的な動きとも重なり、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の製品は単なるファッションアイテムを超えて、文化と記憶の保存という役割も担うようになっています。
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、「野球文化の美しさと歴史」「ユニフォームという装いに込められた物語」「ヴィンテージを通じて現在に生きる価値」を一貫して表現してきたブランドです。
創業者ジェリー・コーエンの幼い頃の憧れから始まり、素材や昔のユニフォームのディテールにこだわる姿勢を貫くことで、単なる復刻ブランドに留まらず、ファンと歴史をつなぐ役割を果たしています。
創業者:Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)について
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の創業者、Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)という人物を軸に、彼の背景、ブランドを立ち上げた動機、創業当初の思想などを詳しく紹介します。
幼少期と原体験 — 野球と「エベッツ・フィールド」への愛着
Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)は、幼少期を過ごしたアメリカ・ニューヨークのブルックリン近辺において、かつて存在した伝説的な球場「エベッツ・フィールド(Ebbets Field)」の存在を身近に感じて育ちました。
ブルックリン・ドジャースの本拠地として1913年から1957年まで野球の歴史に刻まれていたこの球場は、単なるスタジアムを超えて、地域文化や野球ファンの記憶の象徴でした。
この「エベッツ・フィールド」が後のブランド名の決定に深く関わることになります。
ブランド設立のきっかけと共同者たち
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は1988年、アメリカ合衆国ワシントン州シアトルにて、Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)とその友人たちによって設立されました。
創業当初の動機は、「オールド(古き良き)ユニフォームウェアをどれだけ忠実に復刻できるか」に情熱を注ぐことにあり、それがブランドの根幹となっています。
古いプロ野球のスタイル、特に1940年代のウール素材を用いたベースボールユニフォームやキャップ等を復刻することが、最も始まりのプロジェクトでした。
ジェリー・コーエンのデザイン哲学とこだわり
Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)は、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の製品設計において、素材・細部・製法のすべてにわたる再現性を重視しました。
創業当初からアメリカ製(Made in USA)を貫き、ウールのフランネルや古典的な帽章の形、刺繍のパターンなど、野球ユニフォームが持つ「風合い」「使われていた当時の雰囲気」を可能な限り忠実に再生することを追求しています。
そのため、ハンドメイド工程を多く含むプロセスや、ヴィンテージ資料のリサーチも重視する姿勢が見られます。
創業当初の製品とブランドの特徴
Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)が率いる初期のEbbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、特に野球キャップとウールフランネルシャツの復刻からスタートしました。
特に、西海岸のマイナーリーグであったサンフランシスコ・シールズ(San Francisco Seals)やシアトル・レイニアーズ(Seattle Rainiers)のキャップをモデルにした復刻品は、ブランドアイデンティティを確立するための象徴的なアイテムでした。
これらはただ単に見た目を模するだけではなく、当時の仕様(素材・色・ロゴ・縫製など)の研究を重ねて再現されたものです。
ジェリー・コーエンの影響とブランドの発展
Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)のリーダーシップのもと、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)はヴィンテージベースボールウェアの復刻ブランドとして米国内外で認知されるようになりました。
彼の影響は単に製品デザインにとどまらず、野球文化、歴史的価値を尊重し、知られざるチームやリーグのユニフォームを顕在化させるという文化的使命感も含まれています。
また、コーエン自身が「忠実な再現」を目指すことで、コアなファン層からの支持を集め、製品の質とストーリー性を重視するブランドとしての信頼を築くことに成功しました。
デザインの特徴とスタイル
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)のデザインは単なる「ヴィンテージ風」ではなく、歴史的忠実さと質感、素材使い、細部へのこだわりによって支えられています。
歴史の再現性とヴィンテージ感
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、1940年代を中心とした古い野球ユニフォームやキャップの様式を、過去の資料や写真をもとに忠実に再現する姿勢がデザインの根幹にあります。
Jerry Cohen氏は「古き良きウール製ベースボール・ユニフォームに魅せられ」ブランドを設立し、1900年代から1970年代に存在した各種スポーツチームのユニフォームをLook Alikes(似たようなもの)ではなく、生地や製法までを完全に再現していることが特徴です。
素材感と使用感のこだわり
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、素材選びにおいても徹底的にヴィンテージ性を追求しています。
キャップの素材は主にウールとコットンで、特にウールフランネル素材は「クラシックで味わい深い表情」を持ち、時間の経過とともに味が出ると評されています。
また、用途に応じてはコットン素材の方が軽量で使いやすいといった実用的な面も特徴です。
キャップデザインの構造とシルエット
キャップに関しては、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)の定番である6パネル構造で、見た目は6パネルのスタンダードなタイプです。
刺繍ロゴや生地の質感も含めて、シンプルでありながら当時の雰囲気を忠実に再現するデザインがなされていることが伝わってきます。
色使い・ロゴ・装飾の特徴
色彩においても、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は当時のチームカラーをベースにした配色を採用しており、ネイビー、クリーム、レッドなどのクラシックカラーが中心です。
使い込むほどに日焼けしたような味わいが出る点も特徴で、「育てるキャップ」としての側面も見逃せません。
汎用性とスタイルの応用範囲
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)のアイテムは、アメカジ、ヴィンテージ、ストリート、スポーツミックスといった幅広いスタイルに自然に溶け込むデザインが魅力です。
ハンドメイドのアメリカ製であるというバックボーンが、スタイルにストーリー性と説得力をもたらしています。
これらの特徴を総合すると、Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)のデザインは単なる過去の模倣を超えて、「記憶と風合いを現代に生かす再構築されたヴィンテージスタイル」と言えます。
素材、構造、色彩、装飾に至るまで、すべてが一貫して歴史と誠実さを重視した姿勢に貫かれており、それがブランドのスタイルを唯一無二のものにしています。
まとめ:Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ) ブランドリリース
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)は、単なるファッションブランドではなく、アメリカのスポーツ史に刻まれたユニフォーム文化を現代に甦らせる存在として、確固たる地位を築いています。
創業者Jerry Cohen(ジェリー・コーエン)の情熱により、細部まで忠実に再現されたデザインは、単なるレプリカを超えた「文化的な再構築」と言えるでしょう。
素材選び、縫製、シルエット、装飾に至るまで、徹底して「本物」を追求する姿勢は、世界中のヴィンテージファンのみならず、現代のファッション感度の高いユーザーにも強く支持されています。
Ebbets Field Flannels(エベッツフィールドフランネルズ)のアイテムは、過去と現在、スポーツとファッション、実用性と物語性を見事に融合させたスタイルの結晶です。
今後もその美学とクラフトマンシップは、多くの人々に支持され続けることでしょう。
PROFILE
- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「GARATOIRO」「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は30万人以上のファッションユーザーに利用されるWEBメディア「IDEALVINCI」専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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