1980年代から1990年代にかけて、日本のファッションシーンを席巻した「DCブランド」。
個性的なデザインやデザイナーの強いメッセージ性が特徴であり、当時の若者たちにとって憧れの存在でした。
COMME des GARÇONSやYohji Yamamoto、ISSEY MIYAKEといったブランドが世界的にも評価され、日本発のモードファッションを確立するきっかけとなりました。
しかし、バブル崩壊やファストファッションの台頭とともに、その影響力は次第に薄れていきます。
それでも、DCブランドが築いたデザイン哲学やファッションの価値観は、現代のドメスティックブランドやストリートファッションにも色濃く受け継がれています。
この記事では、DCブランドの意味や歴史、代表的なブランドの特徴、そして現代ファッションへの影響について詳しくご紹介します。
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DCブランドとは?
DCブランドの意味と由来
「DCブランド」とは、「Designers & Characters Brand(デザイナーズ&キャラクターズブランド)」の略称で、日本のファッション業界で生まれた独自のカテゴリーです。
これは、1970年代後半から1980年代にかけて、個性的なデザインを打ち出すブランドが次々と登場し、従来の大量生産型ファッションとは異なる新たな市場を形成したことに由来します。
この「DC」という言葉は、日本のファッション業界において百貨店やアパレルメーカーが「デザイナーの個性が反映されたブランド」と「キャラクター性を持つブランド」とを総称するために作られました。
世界的には「プレタポルテ(高級既製服)」に近い位置づけですが、より大衆向けに展開され、日本独自のファッションムーブメントとなりました。
DCブランドの特徴
DCブランドの大きな特徴は、以下の3点に集約されます。
デザイナーの個性を前面に押し出したブランド展開
- それまでの日本のアパレルは、大手企業が大量生産し、トレンドを意識した無難なデザインが主流でした。しかし、DCブランドはデザイナーの名前を前面に出し、独自の世界観を打ち出しました。
- 例として、川久保玲(COMME des GARÇONS)、山本耀司(Yohji Yamamoto)、高田賢三(KENZO)などが挙げられます。
百貨店やセレクトショップを中心とした販売戦略
- DCブランドは、従来のアパレルメーカーとは異なり、百貨店の専門フロアやセレクトショップを中心に展開されました。
- 若者にとってステータスシンボルとなり、高級志向のファッションとして確立されました。
流行ではなく「個性」を重視したデザイン
- DCブランドの多くは、流行に左右されるのではなく、ブランドごとの哲学やデザイナーのクリエイティブな発想を重視しました。
- そのため、時には前衛的で挑戦的なデザインも多く、単なる服ではなく「アート」に近い側面も持っていました。
DCブランドが生み出した影響
DCブランドは、日本のファッションシーンにおいて、単なる流行を超えた文化的なムーブメントを引き起こしました。
特に、以下のような影響を残しています。
デザイナーズブランドの価値を確立
DCブランドの台頭により、デザイナーの名前がブランドとして定着し、ファッション業界での影響力を持つようになりました。ファッションが自己表現の手段となる
1980年代以前は、ファッションは流行を追うものという側面が強かったですが、DCブランドの登場により、「個性を表現するためのツール」としての認識が広がりました。日本のファッションブランドが海外進出するきっかけに
COMME des GARÇONSやYohji Yamamotoがパリ・コレクションに進出し、世界的に評価されることで、日本のデザイナーズブランドの地位が確立されました。
DCブランドは、単なるアパレルブランドのカテゴリーではなく、日本のファッション文化に大きな影響を与えたムーブメントです。
デザイナーの個性を重視し、独自の美意識を追求したDCブランドは、1980年代から1990年代にかけて一世を風靡しました。
そして、その影響は現代のドメスティックブランドやストリートファッションにも受け継がれています。
DCブランドの歴史
DCブランドは、日本のファッション史において特異な存在であり、1970年代後半に誕生し、1980年代に黄金期を迎えた後、1990年代には衰退していきました。
この章では、DCブランドの歴史を3つの時代に分けて詳しく解説します。
誕生と成長期(1970年代後半〜1980年代前半)
DCブランド誕生の背景
DCブランドが生まれた背景には、日本経済の成長とファッションに対する意識の変化があります。
1970年代の日本社会
- 高度経済成長が一段落し、個人のライフスタイルや価値観が多様化。
- 若者を中心に「ファッションで自己表現をする」という意識が芽生え始める。
- 百貨店やセレクトショップが増え、個性的なブランドの需要が高まる。
ファッション業界の変化
- それまでの日本のアパレル市場は、大手企業による大量生産型のブランドが主流。
- しかし、パリコレクションに出場した川久保玲(COMME des GARÇONS)や山本耀司(Yohji Yamamoto)らが独自のデザインを発表し、日本国内でも「デザイナーの名前がブランドになる」流れが生まれる。
- こうした背景から、「DCブランド」という新しいカテゴリーが確立されていった。
初期の代表的なブランド
1970年代後半から1980年代初頭にかけて、多くのDCブランドが誕生しました。
COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)(川久保玲)
- 1969年に設立し、1970年代後半から急成長。
- 「黒の衝撃」と呼ばれる前衛的なデザインで注目を集める。
Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)(山本耀司)
- 1972年にブランドを立ち上げ、1981年にパリコレ進出。
- モノトーンを基調としたアバンギャルドなデザイン。
ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)(三宅一生)
- 1970年にブランド設立。
- プリーツ加工や立体的なデザインなど、革新的な技術を取り入れる。
KENZO(ケンゾー)(高田賢三)
- 1970年代にパリで成功し、日本でも大きな影響を与える。
- エスニックな柄や鮮やかな色使いが特徴。
これらのブランドは、単なる流行ではなく「個性を打ち出す」ことを重視し、既存のファッションとは異なる価値観を確立していきました。
黄金期(1980年代後半〜1990年代初頭)
バブル経済とDCブランドの隆盛
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本はバブル経済の絶頂期を迎え、ファッションへの消費が加熱しました。
DCブランドは「オシャレであることの証」とされ、若者たちはこぞってDCブランドの服を身に着けました。
百貨店や専門店での展開
- 多くのDCブランドが百貨店のファッションフロアや高級セレクトショップに並ぶ。
- 「BEAMS(ビームス)」「UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)」といったセレクトショップがDCブランドの流行を後押し。
雑誌の影響
- 『POPEYE』『an・an』『MC Sister』などのファッション雑誌がDCブランドを特集。
- 雑誌を通じて「このブランドを着ることがステータス」という意識が広まる。
人気ブランドの多様化
- BIGI(ビギ)(菊池武夫)…日本初の本格的なDCブランド。
- Nicole(ニコル)(松田光弘)…若者向けの洗練されたデザインで人気に。
- Takeo Kikuchi(タケオキクチ)…モードとストリートの融合。
- WORLD(ワールド)…複数のDCブランドを展開し、大きな市場を形成。
これらのブランドが「DCブランドブーム」を生み出し、1980年代の日本のファッションを象徴する存在となりました。
衰退と変遷(1990年代中盤〜2000年代)
バブル崩壊とDCブランドの衰退
1991年のバブル崩壊により、日本の消費スタイルが大きく変化。DCブランドは以下のような理由で衰退していきました。
高価格帯の商品が敬遠されるようになった
- バブル期には高級ブランドが好まれたが、不況により「コスパの良い服」が求められるようになった。
ファストファッションの台頭
- 1990年代後半から、UNIQLOやZARAといった低価格ブランドが人気に。
- デザイン性よりも「手頃な価格」「機能性」が重視される時代に変化。
ストリートブランドの人気上昇
- 1990年代中盤から、SupremeやA BATHING APE(BAPE)などのストリートブランドが若者の間で流行。
- カジュアルなファッションの流行により、DCブランドのようなモード系の服が敬遠される。
現在のDCブランド
衰退したDCブランドですが、現在でも一部のブランドは存続し、新たな形で進化しています。
- COMME des GARÇONS や Yohji Yamamoto は今も世界的に影響力を持つブランドとして健在。
- ISSEY MIYAKE の「PLEATS PLEASE」や「BAO BAO」は、新たな市場を開拓。
- タケオキクチ や ニコル は、ターゲットを変えながら継続。
また、DCブランドが生み出した「デザイナーの個性を重視する」文化は、現代のドメスティックブランド(UNDERCOVER、sacai、visvimなど)にも影響を与えています。
DCブランドは、1970年代後半に誕生し、1980年代に絶頂期を迎えました。
バブル経済の影響を受け、日本のファッションをリードする存在となりましたが、1990年代のバブル崩壊とともに衰退。
それでも、DCブランドが生み出した「デザイナーの名前がブランドになる文化」は、現在の日本のファッションシーンにも深く根付いています。
代表的なDCブランドとその特徴
DCブランドは1980年代から1990年代にかけて、日本のファッションシーンを大きく変えたブランド群です。
その中でも特に影響力の大きかったブランドとその特徴について詳しく解説します。
COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)
特徴
- 創業者:川久保玲(Rei Kawakubo)
- 設立年:1969年
- コンセプト:「反ファッション」とも呼ばれる独創的なデザイン
- 代表的なアイテム:アバンギャルドな黒の服、立体裁断のジャケット、ハートロゴのPLAYライン
ブランドの影響
- 1981年にパリ・コレクションに初参加し、「黒の衝撃」として世界のファッション界に衝撃を与えた。
- 「ボロルック」と呼ばれる、ダメージ加工や不規則なシルエットが特徴的なデザインを展開。
- 現在も革新的なコレクションを発表し続け、ドメスティックブランドのトップに君臨。
Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)
特徴
- 創業者:山本耀司(Yohji Yamamoto)
- 設立年:1972年
- コンセプト:「反流行」的なデザインと、エレガンスとストリートの融合
- 代表的なアイテム:モノトーンのロングコート、アシンメトリーなデザイン、オーバーサイズのシルエット
ブランドの影響
- 1981年にパリ・コレクションデビューし、「デストラクション(破壊)」という新しいファッションの概念を提示。
- ファッションに「ゆるさ」や「無造作さ」を取り入れ、現在のオーバーサイズトレンドにも影響を与えた。
- 現在も「Y’s(ワイズ)」や「Y-3(adidasとのコラボライン)」などを展開し、幅広い層に支持されている。
ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)
特徴
- 創業者:三宅一生(Issey Miyake)
- 設立年:1970年
- コンセプト:技術革新と伝統の融合、機能美の追求
- 代表的なアイテム:プリーツ加工の「PLEATS PLEASE」、一枚布から作る「A-POC」
ブランドの影響
- 独自のテキスタイル開発に注力し、シワにならないプリーツ加工や新素材の開発で知られる。
- 1990年代に発表した「PLEATS PLEASE」は今も多くのファンを持つ。
- クリエイティブなデザインながら実用性も兼ね備えており、モードと機能性を両立させたブランド。
KENZO(ケンゾー)
特徴
- 創業者:高田賢三(Kenzo Takada)
- 設立年:1970年
- コンセプト:ボヘミアンスタイルとエスニックデザインの融合
- 代表的なアイテム:鮮やかな色彩のプリント柄、ゆったりしたシルエット、虎のロゴ入りスウェット
ブランドの影響
- 1970年代からフランス・パリで活躍し、日本人デザイナーの先駆け的存在。
- 1990年代には若者の間で「KENZOジャンパー」が流行し、日本でもカジュアルファッションとして人気に。
- 現在はLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)傘下となり、よりストリート寄りのデザインに進化。
BIGI(ビギ)
特徴
- 創業者:菊池武夫(Takeo Kikuchi)
- 設立年:1970年代
- コンセプト:ヨーロピアンテイストのクラシカルなデザイン
- 代表的なアイテム:ジャケット、スーツスタイル
ブランドの影響
- 日本初の本格的なDCブランドの一つであり、モード系ブランドの先駆けとなった。
- 菊池武夫はのちに「Takeo Kikuchi(タケオキクチ)」を立ち上げ、日本のメンズファッションに影響を与え続けている。
Nicole(ニコル)
特徴
- 創業者:松田光弘(Mitsuhiro Matsuda)
- 設立年:1974年
- コンセプト:エレガントかつカジュアルなスタイル
- 代表的なアイテム:シンプルで都会的なジャケットやシャツ
ブランドの影響
- 1970年代後半から1980年代にかけて若者に絶大な人気を誇った。
- DCブランドブームの中心的存在となり、百貨店での展開が活発だった。
- 90年代以降はカジュアルブランドとしての色合いが強くなった。
Takeo Kikuchi(タケオキクチ)
特徴
- 創業者:菊池武夫(Takeo Kikuchi)
- 設立年:1984年
- コンセプト:モードとストリートの融合
- 代表的なアイテム:シンプルなジャケット、上品なカジュアルウェア
ブランドの影響
- 1980年代後半に人気を博し、現在も続くDCブランドの代表格。
- シンプルかつ洗練されたデザインで、ビジネスカジュアルにも対応。
DCブランドの代表的なブランドは、それぞれが独自のデザイン哲学を持ち、日本のファッションシーンに大きな影響を与えてきました。
- 前衛的なデザイン:COMME des GARÇONS、Yohji Yamamoto
- 機能性とモードの融合:ISSEY MIYAKE
- カジュアルで都会的なデザイン:KENZO、BIGI、Nicole
- モードとストリートの融合:Takeo Kikuchi
これらのブランドは、DCブランドブームの中心的存在であり、現代のファッションにもそのDNAが受け継がれています。
DCブランドの影響と現在
DCブランドは、1970年代後半から1990年代初頭にかけて日本のファッションシーンを牽引し、若者文化に大きな影響を与えました。
その影響は、現在のファッション業界にも色濃く残っています。
本章では、DCブランドがもたらした影響と、現在のファッションシーンでどのように受け継がれているのかを解説します。
DCブランドが日本のファッションに与えた影響
デザイナーの名前がブランドになる文化を確立
DCブランドの登場により、日本のファッション界では「デザイナー=ブランド」という認識が一般化しました。
それまでの日本のアパレル業界は、大手企業がトレンドを反映した服を大量生産するスタイルが主流でした。
しかし、DCブランドの流行により、川久保玲(COMME des GARÇONS)、山本耀司(Yohji Yamamoto)、三宅一生(ISSEY MIYAKE)など、デザイナーの個性を前面に打ち出すブランドが人気を博しました。
この文化は現代のUNDERCOVER(高橋盾)、sacai(阿部千登勢)、visvim(中村ヒロキ)などのドメスティックブランドにも受け継がれています。
日本独自の「モードファッション」の確立
DCブランドは、日本発のモードファッションを確立し、世界に発信しました。
特に1980年代にCOMME des GARÇONSや Yohji Yamamotoがパリコレクションに参加し、日本独自のアヴァンギャルドなスタイルが世界的に評価されました。
この流れは現在も続いており、sacaiやTOGAなどが海外で注目を集めています。
ファッションの自己表現としての価値を高めた
DCブランドの影響で、日本のファッションは単なる流行ではなく、個性や自己表現の手段としての価値を持つようになりました。
1980年代の若者は、「DCブランドを着ることがステータス」とされ、服を選ぶことが自己表現の一部になったのです。
この文化は、現代のストリートファッションやサブカルファッション(ゴシック・ロリータ、テックウェアなど)にも影響を与えています。
DCブランドの衰退とその要因
1990年代に入り、DCブランドは次第に衰退していきました。
その要因として、以下の点が挙げられます。
バブル崩壊による消費スタイルの変化
- 高価格帯のDCブランドは、バブル経済崩壊後の消費者の節約志向と合わなくなった。
- 「安くておしゃれな服」が求められるようになり、ファストファッションの台頭につながった。
ファストファッションの流行
- 1990年代後半から2000年代にかけて、UNIQLO、ZARA、H&Mなどのファストファッションブランドが台頭。
- 価格とトレンドを重視する消費者が増え、DCブランドの「高価で個性的なデザイン」が敬遠されるようになった。
ストリートファッションの台頭
- 1990年代後半から2000年代にかけて、Supreme、A BATHING APE(BAPE)、NEIGHBORHOODなどのストリートブランドが人気を博した。
- カジュアルで着やすいデザインが求められるようになり、モード系のDCブランドの需要が減少した。
現在のDCブランドとその進化
現存するDCブランドの動向
DCブランドの多くは1990年代以降に淘汰されましたが、現在も存続し、進化し続けているブランドもあります。
COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)
- メインライン以外に、PLAYラインやCDGラインなどを展開し、より広い層にアプローチ。
- NikeやSupremeとのコラボを展開し、ストリートファッションとも融合。
Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)
- スポーツブランドとのコラボライン「Y-3(adidas×Yohji Yamamoto)」が成功し、ストリートシーンでも影響力を持つ。
- ハイエンドなコレクションは健在で、パリコレクションでも注目され続けている。
ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)
- プリーツ加工の「PLEATS PLEASE」や、一枚布から作る「A-POC」などの技術革新を続ける。
- 「BAO BAO」バッグが若者からの支持を集め、ブランドの再評価が進んでいる。
DCブランドのDNAを受け継ぐ現代ブランド
DCブランドが生み出した「デザイナーの個性を重視する文化」は、現代のドメスティックブランドに受け継がれています。
UNDERCOVER(アンダーカバー)(高橋盾)
DCブランドのアヴァンギャルドな精神を受け継ぎながら、ストリートと融合したデザインが特徴。
sacai(サカイ)(阿部千登勢)
再構築やレイヤードスタイルなど、DCブランドに通じるクリエイティブなデザインが特徴。
visvim(ヴィズヴィム)(中村ヒロキ)
伝統的な技術と現代的なデザインの融合を目指し、DCブランドの「ものづくり精神」を継承。
DCブランドは今後復活するのか?
現在、90年代ファッションのリバイバルブームが続いており、DCブランドの再評価が進んでいます。
特に、若者の間で「アーカイブブーム」が起こり、過去のDCブランドのアイテムが再び注目を集めていることが、復活の兆しを示しています。
また、近年のトレンドとして「ファストファッションから個性的なブランドへの回帰」が進んでおり、「量より質」「長く着られる服」を求める消費者が増えていることもDCブランド復活の後押しになる可能性があります。
DCブランドは、単なる一時的な流行ではなく、日本のファッション文化を築いた重要なムーブメントでした。
その影響は現在のドメスティックブランドやストリートファッションにも受け継がれています。
現存するDCブランドは、新たな戦略で現代のトレンドに適応しながら進化を続けています。
また、若者の間で再評価される動きもあり、今後、DCブランドが新たな形で復活する可能性も十分に考えられます。
まとめ:1980年代〜1990年代の日本のファッションシーンをリードしたDCブランド
DCブランドは、1970年代後半に誕生し、1980年代から1990年代にかけて日本のファッションシーンをリードしました。
デザイナーの個性を前面に押し出し、既存のアパレルとは一線を画す独創的なデザインが特徴で、COMME des GARÇONSやYohji Yamamoto、ISSEY MIYAKEなどのブランドが世界的にも高い評価を受けました。
しかし、バブル崩壊後の消費スタイルの変化やファストファッションの台頭、ストリートブランドの隆盛によってDCブランドの人気は衰退していきました。
それでも、DCブランドが生み出した「デザイナーの名前がブランドになる文化」や「ファッションを自己表現の手段とする価値観」は、現在のドメスティックブランドやモードファッションに深く根付いています。
近年では、90年代ファッションのリバイバルやアーカイブブームの影響もあり、DCブランドの再評価が進んでいます。
今後、デザインの独自性やクラフトマンシップを重視する流れが強まることで、DCブランドが新たな形で復活する可能性も十分に考えられるでしょう。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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