夏のファッションにおいて、欠かすことのできない存在となっている「アロハシャツ」。
鮮やかな色使いや大胆な柄、そしてリラックス感のあるシルエットは、身にまとうだけで季節感と非日常感を演出してくれます。
もともとはハワイの伝統文化にルーツを持ちながらも、近年ではストリートやモードといったさまざまなファッションジャンルに取り入れられ、若者から大人まで幅広い層に人気を集めています。
そんなアロハシャツは、ブランドごとに異なる個性と魅力を放っており、選ぶブランドによってコーディネートの印象も大きく変化します。
本格派からモード系、さらには日本のデザイナーズブランドまで、そのバリエーションは実に多彩です。
この記事では、アロハシャツで特に人気のあるファッションブランドをご紹介します。
目次
アロハシャツについて
夏の訪れとともに街でよく見かけるようになるアイテムといえば、やはりアロハシャツではないでしょうか。
鮮やかなカラーや大胆な柄、ゆったりとしたシルエットが特徴のアロハシャツは、着る人に開放感と季節感をもたらしてくれる存在です。
もともとはハワイの民族衣装をルーツに持ち、20世紀前半に観光客向けの土産物として発展したこのアイテムは、今や世界中のファッションシーンで広く受け入れられる夏の定番となっています。
ここ数年、アロハシャツは単なるリゾートウェアとしての枠を超え、ストリートやモード、さらにはヴィンテージ市場でも高い人気を誇っています。
特に1960〜70年代のビンテージアロハシャツは希少性が高く、独特の雰囲気を持つ柄や色合いがファッション愛好家の間で再評価されています。
また、国内外の人気ブランドも次々とアロハシャツを取り入れ、現代的にアレンジされたアイテムとして展開するなど、その注目度は年々高まりを見せています。
アロハシャツとは?歴史と特徴
ハワイ発祥の背景と文化的ルーツ
アロハシャツは、20世紀初頭のハワイで誕生した南国特有の開襟シャツです。
その起源にはさまざまな説がありますが、主に日系移民が日本から持ち込んだ着物や浴衣の生地を使い、現地でシャツとして仕立てたことが始まりとされています。
さらに、中国系やフィリピン系移民の縫製技術やデザイン感覚も加わることで、現在のアロハシャツのスタイルが確立されていきました。
1930年代には「アロハシャツ」として商品名が用いられるようになり、地元住民や観光客の間で人気が拡大。
1940年代にはアメリカ本土にも広まり、戦後のリゾートブームとともに世界中で知られる存在となりました。
アロハシャツはハワイの自然や文化を反映した象徴的なアイテムとして、現在もハワイのアイデンティティの一部とされています。
レーヨンやコットンなどの素材とデザインの特徴
アロハシャツの特徴のひとつに、使用される素材があります。
伝統的なアロハシャツはレーヨン素材が主流で、ドレープ性と肌触りの良さが魅力です。
現在ではコットンやポリエステル混紡なども用いられており、洗濯のしやすさや耐久性に配慮した製品も多く展開されています。
デザイン面では、首元の開いたオープンカラー(開襟)や、体のラインを拾わないボックスシルエットが特徴的で、暑い季節でも風通しがよく、快適に過ごせる仕様となっています。
また、ヤシの木やフラガール、海や花などのハワイらしいモチーフが大胆にプリントされており、その華やかな柄もアロハシャツならではの魅力です。
ヴィンテージアロハシャツが持つ市場価値
アロハシャツは古着市場でも高い人気を誇っており、特に1940年代〜1960年代に生産されたヴィンテージ品は、希少価値が高くコレクターズアイテムとしても注目されています。
当時のシャツは、現代にはない染色技術や独自のプリントパターンが施されており、1点もののような存在感を放ちます。
状態が良いものや、歴史的なブランドの初期モデルに関しては、数万円から十万円以上の価格が付くことも珍しくありません。
このように、アロハシャツは単なる夏のカジュアルウェアにとどまらず、文化的背景・実用性・ファッション性・資産価値のすべてを兼ね備えた、非常に奥深いアイテムなのです。
定番で人気のアロハシャツブランド
アロハシャツは多くのブランドが展開していますが、中でも「定番」として高い人気を誇るブランドはいくつか存在します。
ここでは、長年愛され続けている本格派から、手頃な価格で本場の雰囲気を楽しめるブランドまで、アロハシャツの魅力を堪能できる4つの代表的ブランドをご紹介します。
SUN SURF(サンサーフ)
東洋エンタープライズが手がける「SUN SURF(サンサーフ)」は、日本が誇る本格派アロハシャツブランドとして知られています。
アメリカの黄金期である1930~50年代のヴィンテージアロハを忠実に再現することをコンセプトにしており、その再現度の高さは国内外のアロハシャツファンからも評価されています。
最大の特徴は、当時のデザインやプリント技術を再現するために、手間を惜しまない製法を採用している点です。
レーヨン素材を用いた美しい発色や、柄合わせの正確さ、さらにはラベルやタグにまでこだわった作り込みは、他のブランドとは一線を画します。
コレクションとしての価値も高く、アロハシャツの本質を味わいたい人に最適なブランドです。
CHECK
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SUN SURFの歴史と特徴【ブランドリリース】
SUN SURF(サンサーフ)は、東洋エンタープライズ株式会社のブランドとして、1970年代に創業されました。 ブランドの特徴としては、1930年代から1950年代のヴィンテージアロハシャツを忠実に再 ...
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RJC(ロバート・J・クランシー)
「RJC(ロバート・J・クランシー)」は、ハワイ発のファミリー企業で、長年にわたりローカル向けにアロハシャツを供給してきた実績を持ちます。
価格帯は比較的リーズナブルで、観光客から地元住民まで幅広く愛されているブランドです。
その魅力は、ハワイらしさあふれる柄と、デイリーユースに適した着心地の良さにあります。
通気性の高いコットン素材を中心に使用し、シンプルながらも南国の空気を感じさせるアイテムが揃っています。
気軽にアロハシャツを楽しみたい人におすすめの入門ブランドです。
TWO PALMS(トゥーパームス)
「TWO PALMS(トゥーパームス)」は、ハワイ・オアフ島で製造を行う「MADE IN HAWAII」の精神を貫くブランドです。
1982年の創業以来、全ての製品を自社工場で縫製し、地元の伝統や気候に適したアロハシャツを展開し続けています。
特徴的なのは、爽やかで上品な柄使いと、軽くて快適なレーヨン素材の使用です。
着用時に自然と生まれるドレープ感や、リゾートシーンに馴染むカラーリングは、他ブランドではなかなか味わえない魅力です。
リゾートスタイルを追求したい方や、上質なハワイ製品を求める方に最適です。
KAHALA(カハラ)
1936年に設立された「KAHALA(カハラ)」は、ハワイで最も歴史のあるアロハシャツブランドのひとつです。
長い歴史と共に育まれたクラシックなデザインと、高品質な素材使いが魅力で、今なお「本物のアロハ」を求める人々に支持され続けています。
KAHALAのアロハシャツは、自然や文化をテーマにしたオリジナルプリントが多く、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせます。
また、着心地にもこだわり、軽量なコットンやテンセル素材を使用するなど、現代のライフスタイルにもマッチする設計がされています。
トラディショナルでありながら、今の時代にも溶け込む普遍的な魅力を持つブランドです。
アロハシャツの選び方と着こなしのコツ
アロハシャツは柄や色が印象的なアイテムだけに、選び方や着こなしによってコーディネート全体の雰囲気が大きく左右されます。
ここでは、自分に合ったアロハシャツを見つけるためのポイントと、バランスよく着こなすための実践的なコツを解説します。
サイズ感のポイント:リラックスフィットが基本
アロハシャツは元来、リゾート地でリラックスするための服として作られた背景があるため、ゆったりとしたリラックスフィットが基本です。
体のラインを拾わないボックスシルエットやドロップショルダーが特徴で、暑い季節でも風通しがよく、快適に着られる設計になっています。
ただし、現代のスタイリングにおいては、オーバーサイズすぎると野暮ったく見えることもあるため、自分の肩幅や身長に合った適度なサイズ感を意識することが重要です。
ジャスト〜ややゆったりめを基準に、清潔感と抜け感の両方を意識しましょう。
柄の選び方:自分のスタイルに合ったパターンを
アロハシャツの最大の魅力ともいえるのが「柄」の選び方です。
近年は以下のように、テイストによって柄のバリエーションが広がっています。
- ヴィンテージ風:1950〜60年代のデザインを再現した柄。レトロで味のある雰囲気が魅力。
- 和柄モチーフ:鯉や波、花札など日本文化をモチーフにした柄。和モードや古着好きに人気。
- モダン柄:幾何学模様や抽象柄など、スタイリッシュで都会的な印象を演出できる。
初心者であれば、ベースカラーが黒・白・ネイビーなど落ち着いたトーンのものを選ぶと、コーディネートしやすく失敗が少ないです。
上級者は思い切った派手柄に挑戦し、個性を引き立てるのも楽しみ方のひとつです。
着こなしの実例:合わせ方次第で印象が変わる
アロハシャツは、合わせるアイテム次第でリゾート風からタウンユースまで幅広く対応できます。以下に代表的なコーディネート例を紹介します。
ショーツと合わせたリゾートスタイル
リネンやチノ素材のショーツと合わせることで、南国ムードあふれるバカンス感のあるスタイルに。
サンダルや麦わら帽子などの小物と合わせるのも◎。
デニムと合わせたカジュアルスタイル
デニムパンツやワイドジーンズと合わせることで、ほどよいカジュアル感が生まれ、街中でも自然に着こなせる雰囲気に。
スニーカーやキャップを足せばストリート寄りにもアレンジ可能。
スラックスと合わせたキレイめスタイル
柄が控えめなアロハなら、スラックスと革靴を合わせることで大人っぽくまとめることも可能。
テーラードジャケットを羽織って“抜け感”を演出する上級コーデもおすすめです。
アロハシャツは合わせ方次第で表情を変える万能なアイテムです。
自分らしい着こなしを見つけながら、夏の装いに彩りを加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ:様々なファッションスタイルに取り入れられるアロハシャツ
アロハシャツは、その明るく開放的なデザインやリラックス感のあるシルエットを通じて、季節感や個性を存分に表現できる夏の定番アイテムです。
ハワイにルーツを持ちながら、今ではストリート、モード、アメカジといった多様なジャンルに溶け込み、世代やスタイルを超えて多くの人々に愛されています。
本記事では、アロハシャツの歴史や特徴に加え、おすすめのブランドを紹介しました。
さらに、柄の選び方やサイズ感、着こなしのポイントについても触れたことで、これからアロハシャツを取り入れたいと考える方にとって、実践的なヒントになったはずです。
ブランドごとに異なる魅力があるアロハシャツは、自分のファッションスタイルやライフスタイルに合わせて選ぶことで、日常の装いに豊かな彩りを加えてくれます。
ぜひお気に入りの一着を見つけて、今年の夏をアロハシャツとともに楽しんでみてください。
PROFILE

- メンズファッション専門WEBライター
- 古着屋「BUYER'S GARMENT」を運営する元メンズアパレルデザイナー。
セレクトショップのECサイト運用担当後、WEBマーケティング業界に従事し、事業部長などのキャリアを経験。
起業後は「サーフ」「アウトドア」「スポーツ」「ストリート」などのアクティブなメンズファッションやライフスタイル情報を発信するIDEALVINCI専属ブロガーとしても活躍。「メンズ古着」「リユースファッション」などの情報も発信。
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